「不毛な論争」の重要性 “分断のない社会”は気味が悪い(古市憲寿)
9月27日、安倍晋三元総理の国葬儀が執り行われた。開催の是非を巡っては大きく賛否が割れた。当然のことだと思う。安倍政権への評価、開催決定までのプロセス、弔問外交の効果など、意見が分かれうる点が複数存在したからだ。
気になったのは、「国葬は日本の分断を生んだからよくない」という意見だ。果たして分断とは、それほど悪いことなのだろうか。
確かに経済的な分断は、格差の固定をもたらし、治安の悪化にもつながりかねない。貧困層が適切な医療を受けられないアメリカのような社会がいいとは思えない。...