アントニオ猪木さん、追悼番組延期の背景に“圧力”か 「放送すれば法的措置も辞さない」

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 釈迦の仏舎利が信仰のよすがとなったように、昭和の興行界に名を刻むカリスマもまたその遺骨は特段の存在である。ならば埋葬先に関連してひと悶着起きるのも必然。だが、故人もよもや、自身の追悼番組が放送延期に追い込まれるとは思わなかったことだろう。

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 青森県南部の十和田市。八甲田山の山間にある一軒宿の「蔦温泉」は湯船の底から直に湧き出る湯とヒバ造りの浴槽で知られる、マニア垂涎の秘湯である。

 この蔦温泉の目と鼻の先、ブナの原生林に囲まれた静寂の支配する場所に、明治大正期の詩人・大町桂月の墓などと並んで鎮座するのがアントニオ猪木家の墓だ。

 今月1日に79歳で世を去った猪木をしのび、県内外からファンが連日訪れる。広島から来た男性に聞くと、

「青森にお墓があるというから手を合わせに来たんだけど、ここじゃない場所に遺骨が埋葬されるという報道もありますよね」

 実際、猪木と長く交流のあった知人がこう明かす。

「青森の墓にはズッコさんの遺骨が納められています。故人もそこに入るつもりだったのに、どうやら遺骨は神奈川にあるお墓に入れられそうなんです」

“猪木家の墓には入るわけにいかないよなあ”

 ズッコさんこと田鶴子(たづこ)さんは、猪木が最後に連れ添った4番目の妻だ。2017年に入籍するも、今から3年前に62歳ですい臓がんで逝去した。猪木は、夫婦で通い詰めた青森の蔦温泉を彼女の永眠の地に選んだ。猪木もまた、その傍らで眠りにつくものと思われた。

「猪木家は11人きょうだい、猪木さんは9番目の子で6男です。だからでしょう、猪木さんは生前、“長男じゃないから、神奈川にある猪木家の墓には入るわけにいかないよなあ”と語っていました」(前出の知人)

 猪木家の菩提寺は神奈川県横浜市鶴見区にある曹洞宗の大本山「總持寺」だが、

「そこに入れないとなれば、ズッコさんとともに愛した蔦温泉のあたりならゆかりもあり、静かなところで自分の墓を建てるには最適だと猪木さんは考えた」(同)

 昨年夏、猪木は懇意にする蔦温泉の経営者を通じて青森市の墓石業者に墓の建造を依頼。今年5月上旬に着工するや作業は急ピッチで進み、約3週間後の5月26日には猪木本人立ち会いのもと、建立式と田鶴子さんの納骨の儀を執り行う運びとなったのである。

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