阪神「ブラック球団」烙印逃れに藤浪「MLB挑戦」容認 巨人と競合でも岡田新体制に「浅野翔吾」が必要なワケ

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「掛布」以来、出ていない高校出スラッガー

 ただし、岡田新監督は「藤浪問題」からは逃れられたとしても、別の使命は課される。「高校出野手」をレギュラーとして育てることだ。

 かねて岡田監督自身が、阪神のドラフト上位指名が社会人や大学ばかりに偏る戦略に批判的だった。白鴎大、近大から入団した大山悠輔内野手、佐藤輝明内野手、大阪ガス出身の近本光司外野手が主力に定着している半面、ヤクルトの村上宗隆内野手や巨人の岡本和真内野手のように高校出野手の主力、特に大砲が出現していないとの持論からだ。

「岡田さんは浜中(治)、関本(賢太郎)ぐらいしか高校出野手の主力が育っていないと憂慮している。しかも岡田さんが言うように、浜中も活躍の期間が短く、関本は絶対的なレギュラーではなかった。掛布(雅之)さんみたいな高卒のスラッガーがチームの屋台骨を背負うことが待望されている」(前出の球団職員)

 阪神では10月20日のドラフト会議で高校通算68本塁打の強打者、高松商高(香川)の浅野翔吾外野手の1位指名が取り沙汰される。

「巨人など複数球団と競合するだろうが、指名すべき逸材。抽選で当たり、入団にこぎ着けられれば、藤浪の育成失敗から挽回するチャンスにもなる。岡田さんの任期は本人が認めた通り、そう長くはないが、ヤクルトは村上を2年目からレギュラー扱いし、5年目の今季に三冠王になるまでに急成長させた。獲得できれば、岡田さんがどんなビジョンで育てていくか見ものだ」(前出の元監督)

 藤浪を体よくポスティングで放出することで、アマ球界から「ブラック球団」の烙印を押されまいとする阪神。高校出野手でも球団の黒歴史に終止符を打つべく、浅野を指名するかどうかが注目される。

デイリー新潮編集部

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