「6代目山口組」緊急執行部会議が開催 取り上げられた2つのテーマとは?

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テーマは2つ

 10月上旬、6代目山口組の3次団体である水谷一家の本部(三重県四日市市)で、6代目山口組の緊急執行部会議が開かれたという。何がどんな風にとりあげられたのか? その内情に通じている、元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は暴力団組員の更生を支援するNPO法人「五仁會」を主宰)に解説してもらった。

「通常の幹部会は月に一度、執行部のメンバーが集まって開かれます。今回は緊急なのでその限りではありませんが、慌てて集まって話し合う必要があったということでしょう」

 と、竹垣氏。

「テーマは大きく分けて2つありました。1つ目は、池田組(池田孝志組長)と2代目宅見組(入江禎組長)の動向を注視しようというものです」

 改めてここ最近の動きについて触れておこう。ご存じのように、もともと池田組は2015年8月に6代目山口組を脱退し、神戸山口組(井上邦雄組長)の立ち上げに参集したが、2020年に7月、その神戸側を出て独立組織となっていた。

 そんな状況下にあっても神戸山口組の入江副組長と池田組の池田組長の関係は良好で、それが今年9月に発表された、神戸山口組と池田組の電撃的な連合につながったとされる。

池田組のしたたかさ

「神戸山口組と池田組が“五分の親戚”、すなわち“対等の連合”を結ぶことになったのですが、この提携の一方の立役者である入江副組長が一転、神戸側を脱退する事態となりました」

 過去の抗争事件に絡んで、神戸山口組の井上組長と入江副組長とが口論し、抜き差しならない状況に陥ったのだという。

「今回の緊急執行部会議では、独立組織となった2代目宅見組を“敵とみなす”ことを改めて確認したそうです。神戸側を離れたとしてもお目こぼしはないぞということですね。池田組も独立組織ですが、神戸側と対等の関係にあることからもちろん“敵認定”されています」

 こうした確認をしたことは、池田組側への警戒感のあらわれだろうか。

「池田組は単なる生き残りのために動いているのではなく、組織拡大を狙っています。豊富な資金力をバックに他の独立組織を糾合(きゅうごう)して行く算段のようで、したたかですね。もちろんそういう戦略を6代目側も察知しており、池田組と気脈を通じる2代目宅見組ともども敵視政策を採るということだと思います」

 ところで、池田組長は神戸傘下時代、舎弟頭を務め、最終的には最高顧問の座にあった人物だ。

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