ロシアが作った「コカ・コーラ」「ファンタ」「スプライト」の模倣飲料を入手 専門家が飲んでみた
本家「スプライト」にはあと一歩及ばず…
最後に「ストリート」です。ラベルに大きなSの字はついていませんが、実はラベル自体が2種類あり、クールコーラ、ファンシー同様にSの字がついているものも存在します。しかしこちらのラベルだと、遠目で見たらスプライトに見えますね。
味に関しては、全体的にスプライトよりも柑橘の酸味と甘さを感じます。ペプシコ社の人気商品であるレモンライムソーダ「セブンアップ」に近く、個人的には私の好きな味です。
ただ後味に若干の薬っぽさと、ラムネ駄菓子のような わざとらしい酸っぱさが残り、違和感を覚えます。ストリートも砂糖100%(日本のスプライトは果糖ブドウ糖液糖とステビアの混合)なので甘味と柑橘感のシナジーはストリートの方が上回っていると感じましたが、その点を考慮してもスプライトにあと一歩届きません。
結論としては、ストリート単体で味わうのであればスプライトとの差に充分気が付くと思いますが、ハンバーガーやフライドポテトなど、味の濃い食品と一緒に楽しむのであれば、あんまり気にならないと思います。代替品として及第点といったところではないでしょうか。
今回、3種類の炭酸飲料を飲み比べ、改めて世界的な清涼飲料メーカーの製品というのは良くできていると、素直に感じました。今回は主に味や香りの感想となりましたが、それ以外にも容器の持ちやすさやラベル印刷の解像感。泡の立ち方やのど越しなど、細部にも違いがあらわれました。
それら一つ一つは、味や香りに比べたら些細なことかもしれません。しかしそういった小さな拘りの積み重ねが、その飲料のブランド力を形成していくのだということを改めて感じました。それは既製品を表面だけ真似して到達できるような領域ではありません。
オチャコボ社の製品は確かにいくつかの点において、模倣元より優れているといえます。しかし飲料全体としてのバランスは良いとは言えず、そこが非常にもったいないと感じました。無理に既製品を真似せずとも、オリジナルの炭酸飲料を作ればきっと素晴らしいものが出来上がると思うからです。
一刻も早く世界が平和になり、オチャコボ社がオリジナリティのある炭酸飲料をもって、他の飲料メーカーと健全に競争する時代がくることを願っています。