昭和レトロの「うどん自販機」が人気 製造元の製鉄会社が明かした“意外な開発動機”
製造元の富士電機に聞く
NHKが2度取材したうどん自販機は、いずれも東京都品川区に本社を置く富士電機が製造したものだ。いわゆる「重電8社」の一角を占める大手電機メーカーであり、会社案内にはこうある。
《富士電機は、コア技術であるパワー半導体とパワーエレクトロニクス技術のシナジーを徹底的に追求し、パワエレ、半導体、発電プラント、食品流通の4事業により、産業・社会インフラ分野において安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献します》
およそうどん自販機とは結びつかない会社である。公式ホームページにある同社の沿革にも、うどん自販機の記述はない。いつ頃、どのくらい製造したのだろうか。
「弊社の『富士めん類自動調理販売機』は、1975年から95年にかけて、およそ3000台が製造されました」(富士電機広報課=以下同)
現在稼働している台数はどれくらいあるのだろう。
「申し訳ありません。把握しておりません」
製造が終了してから30年近く経つが、修理の依頼などはあるのだろうか。
「申し訳ないことに、すでに事業から撤退しているため修理にも対応できません」
レトロ自販機が注目されていることはご存知だろうか。
「NHKの番組も含め、存じ上げています。ファミレスやコンビニなど24時間営業しているお店がある中、自販機に注目してくださるファンに方には感謝しております。ノスタルジーと美味しさを期待されてのことだと思います」
ここまで注目されているなら、新製品の計画などはないのだろうか。
「現時点ではございません」
うどん自販機は、富士電機だけが製品化したのだろうか。
「いえ、弊社よりも前に、川鉄計量器さんが製造されていたと聞いています」
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