ロシアのウクライナ全土攻撃は「あまりにお粗末」…ミサイルの精度が悪すぎて「ウクライナ大本営発表」にも真実味

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大本営発表

 命中精度は低く、撃っても撃墜される──手も足も出ないロシア軍の状況が伝わってくる。だが専門家の目で見ると、ウクライナ軍が発表した戦果にも疑問点があるという。

「1990年の湾岸戦争では、イラク軍のスカッドミサイルを、『パトリオットミサイル』と呼ばれるPAC2が迎撃しました。戦争中は百発百中のように報道されましたが、戦後に検証を行うと、多くがミサイルの破壊に失敗していました」(同・軍事ジャーナリスト)

 ウクライナ軍の発表を検証してみよう。先に紹介したテレ朝newsの記事から命中率を計算すると約53%、朝日新聞の記事では70%に達する。

「あまりにも命中率が高すぎます。日本でも今月4日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したためJアラートが発出されましたが、発射の把握がどれほど難しいかを浮き彫りにしました。ウクライナの場合はロシアとの距離が近いため、日本よりも把握が難しいはずなのです」(同・軍事ジャーナリスト)

 そんな高性能な防空システムは、まだ完成していない。となると、やはりウクライナ軍の発表は、“大本営発表”の可能性が濃厚のようだ。

独り負けのロシア

「嘘の戦果を発表すると、一時的には国民を鼓舞します。しかし、最終的には士気を下げるというのが歴史の教訓です。にもかかわらず、ウクライナが“盛った”戦果の発表に踏み切ったのは、あまりにもロシアの報復がお粗末だったからでしょう」(同・軍事ジャーナリスト)

 ロシアは全く戦果をあげられなかった。ならば、多少だったら戦果に色を付けても問題はない。むしろ大戦果を強調することで自国民に安心してもらおう──こんな判断が下された可能性がある。

 嘘から出た実(まこと)というが、アメリカは防空システムの追加供与を、ドイツは自国のシステム「IRIS-T SLM」の供与を発表した。「IRIS-T SLM」は今年1月に完成したばかりの最新鋭兵器だ。

「結局、ウクライナは報復の被害を最小限にとどめただけでなく、西側の最新兵器を更に手に入れたわけです。もちろんアメリカやドイツは、『実際の戦場でテストできる』と考えて供与したわけです。まさにWin-Winの関係で、ロシアだけが何もかも失敗していると言えるのではないでしょうか」

註:巡航ミサイル84発、8州のインフラに直撃 ウクライナ当局(CNN・日本語・電子版:10月11日)

デイリー新潮編集部

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