コロナ禍3年目の小学校運動会 「2日開催」「学年入れ替え制」「2部制」…同じ公立校でも“千差万別”なワケ

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長時間、密状態にしないための「2日開催」

 豊島区教育員会に聞いてみると、二日実施する方式は区内では少数派だという。「グラウンドの広さや生徒数によって対策は違ってくる。区市町村ごとではなく、すべて各校長の判断に委ねられているので実施方法はまちまちです」(指導課)。

 文京区のある区立小学校も2日開催方式。だが「児童鑑賞日」は全学年参加ではない。学年ごと時間を分けてダンスやリレーを行う。「保護者鑑賞日」も学年ごとに時間を分けた入れ替え制であるところは一緒だが、徒競走など前日とは別の競技を行う。

「密な状態を長時間持続させないためにも、保護者を入れる“本番”は午前中に終わらせたい。ただ、一学年4クラスと生徒数が多くて昼までには終わらない。だから演目の一部を『児童鑑賞日』にずらしているのです」(学校関係者)

 生徒数の違いで、同じ「2日開催」でもやり方が変わってくるのである。

「1日2部制」ができるのはグラウンドの広さ?

 一方、国分寺市内の市立小学校に子供を通わせている同僚は「1日開催だった」と振り返る。

「午前は1、3、5年生、午後は2、4、6年生という2部制。ウチが面倒だったのは、1年生と2年生の兄弟がいること。午前中に下の子を観に行って、午後は上の子となるんですが、インターバルの間は一回外に出される。家から学校まではそこそこ距離があるので、入れ替えの時間は妻と近くの公園で時間を潰して過ごしました」

 この人の場合はたまたま子供が二人で面倒な思いをしたが、2部制の方が参加人数も増えて盛り上がりそうだ。実際にこの学校では、全校生徒が赤組白組に分かれて勝敗もつけるという。ただ、「午前中に終わってしまった学年は授業に入り、親は帰ってしまうので、最終結果が出てもイマイチ盛り上がりに欠けます」(同)とのこと。

 なぜうちの子が通う学校は2部制を取らないのだろうと同僚と話しているうちに、謎が解けた。聞けば、同僚の小学校は郊外にあるためグラウンドが広い。3学年一緒でも密を避けられるのである。

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