巨人・原監督、「進退伺」で見せかけの禊ぎ 有原、森、西らFA補強の“お家芸”復活

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「進退伺より辞表を出すべき」

 プロ野球巨人の原辰徳監督(64)が来季も指揮を執ることが決まった。ペナントレース終盤、最下位の危機に直面し、一時は進退問題に発展するかと注目されたが、4位になったことで表向きは無風に終わった。親会社の読売新聞系列のスポーツ報知は、原監督が10月4日に山口寿一オーナーにシーズン終了を報告した翌5日の1面で、原監督が8月下旬に「進退伺」を提出していたことを大きく扱った。記事には〈同オーナーはその場で判断を下さず、シーズン最終盤まで何度も対話を持った。その中で原監督の心境に変化が生まれ……〉、続投に至ったとある。

 巨人の今季最終戦は10月2日だった。記事では〈シーズン最終盤〉と曖昧にしているものの、複数の関係者によると、編成面を含め全権を持つ原監督は9月中旬にはドラフトなど来季構想を球団と協議していたという。番記者が解説する。

「オーナーと進退問題で対話を重ねつつ、それとは矛盾するような続投を前提にした行動を取っていたことになる。進退伺がどのぐらい本気だったのか、そもそも出していたのだろうか。報知が進退伺の事実を明らかにすることで、原監督が低迷の責任を取った形に仕立て、禊ぎが済んだよう印象操作したと感じた」

 さるNPB球団の元監督もこう切り捨てた。

「過去、進退伺で辞任した監督が何人いたか。辞めるつもりがあるなら進退伺より辞表を出すべき。本心では、たとえ最下位になっていたとしても辞める気はなどなかったのではないか。仮に最下位になっていれば、報知以外のメディアに対しても、原監督が進退伺を出すも、球団からは慰留されて続投に翻意したという茶番のストーリーが用意されていたのではないかと勘ぐってしまう」

 誰の目にも、形式的な進退伺にしか映っていなかった。

コーチは捨て石

 こうして原監督は“機関紙”で禊ぎを済ませた後、これも用意していたかのように段取りよく、コーチ人事刷新に至った。桑田真澄投手チーフコーチがファーム総監督へ、元木大介ヘッド兼オフェンスコーチは作戦兼内野守備コーチへ、事実上の降格。そして外部からは打撃チーフコーチに「デーブ大久保」こと大久保博元氏、外野守備兼走塁コーチに走塁のスペシャリスト、鈴木尚広氏を招聘した。

「桑田はチーム防御率3.69がセ・リーグ最悪だった責任を、元木はチーム打率2割4分2厘がリーグ最低だった責任を、それぞれ取らされた形。毎度のことではあるが、監督が責任を取らない代わりにコーチのクビをすげ替える。コーチは監督の捨て石に過ぎないことを改めて示した」(前出の元監督)

 そもそも、投打の不振の責任は原監督の用兵に依るところが大きい。投手のコンディションを整えるのは投手コーチの役目だが、ひとたび試合に入れば、継投の権限は監督にある。岡本和真内野手の代わりに中田翔内野手を4番に据えるなどした打順の組み替えも監督の専権事項だ。

「中日監督時代の落合(博満)氏が、森(繁和)コーチに投手のことを全て任せたようにするなら別だが、最終的に原監督が全てを決める巨人で、結果が出なければコーチが責任を取り、結果が出れば監督の手腕となるのはおかしい。このゆがんだ構図はずっと変わっていない。(原政権から)去って行ったコーチの多くが『二度と原さんの下でコーチをやりたくない』と言っていることが全てを表しているのではないか」(元監督)

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