大谷翔平の年俸43億円は安すぎる? 専門家は「単純計算で約100億円の働き」

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 大谷翔平(28)がシーズン終了直前にエンゼルスと1年3千万ドル(約43億円)の延長契約を結んだ。

 そこで三つの疑問が湧く。まず、4億ドルとも5億ドルともいわれる長期大型契約の話はどうなったのか?

「大谷は来季を終えるとFA権を取得します」

 と大手紙デスクが語る。

「本来、エ軍としては、FA前に長期大型契約を結びたいところですが、先ごろオーナーが球団を手放す意向を表明しました。大谷との契約をどうするかという選択肢を含めて新オーナーに売った方が高値がつく。そこで、現オーナーは長期契約でなく単年契約を提示したわけです」

 大型契約は、新オーナーが決まってからのお楽しみということになる。

 しかし、シーズン終了後にじっくり交渉に臨めばいいのに、なぜシーズン中に、急ぐように契約したのか? 更改は11月から12月に行われるのが一般的だが、

「今回のようにシーズン終了直前に契約更改がなされることはままあります」

 とメジャー研究家の友成那智氏が解説する。

「それは、特にシーズン中に功績のあった選手に対して、リスペクトとご褒美の意味を込めて。“我々はあなたを最優先に考えている”という球団の意思表示でもあるのです。投打ともにチーム随一の活躍を遂げた大谷には当然の対応。大谷もその意味を承知で受け入れたはずです」

7440万ドルの働き

 そこで三つめの疑問。3千万ドルは妥当なのか?

 実は“安すぎる”という声が日米双方から噴出している。根拠はさまざまだが、例えば、同じエ軍で年俸3657万ドルのレンドンをはじめ、大谷以下の成績で大谷より多い年俸をせしめている選手はいくらでもいる。また、友成氏いわく、

「WARという、チームへの貢献度を数値化したものがあります。3~4あれば一流の証ですが、大谷のそれは投手として5.4、打者として3.9で、合計すると9.3にもなる(10月3日現在、FanGraphsによる)。1あたり年俸約800万ドルに相当するので、実に7440万ドルの働きをしたことになる」

 いくらカネに無頓着の大谷でもあまりに安すぎるというわけだ。だが、

「メジャーの年俸制度は、1~3年目まで年俸が極端に抑えられ、大谷も低年俸でした。4~6年目は調停権が得られ不服なら争えるのですが、調停にも相場があり、決して青天井ではありません。そんな中で大谷の3千万ドルは、調停対象選手のなかで過去最高額。もちろんもっと高い額もありえますが、エ軍としては礼をもって最低限の評価をしたといえるのでは」(同)

 次の“お楽しみ”に期待。

週刊新潮 2022年10月13日号掲載

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