「原監督に辞める気は毛頭ない」 オーナーが原体制を黙認する理由を解説

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「首脳陣の責任」

 しかし、勝負の世界ではそれは通じない。

「やっぱり今年の失敗は、6、7、8回の投手陣を整備できなかったためです」

 とは、OBでV9戦士の一人、関本四十四氏。

「今春のキャンプでは、先発完投型投手の育成を目指していましたが、現代野球ではリリーフが重要。肝心なそこをおろそかにしてしまったのは、原監督と桑田コーチの責任です」

 また、

「内野守備の要であるショート・坂本の衰えが激しいですが、彼の後任を育てられていません。これもまた監督の責任」

 それだけではない。

「巨人のメンバーをご覧なさい。あの戦力で4位に終わってしまったのは、首脳陣の責任です」

 とぶった切るのは、やはりOBであり、監督としてヤクルト、西武を日本一に導いた御年90歳の重鎮、広岡達朗氏である。

「もし私が監督なら、球団に対して“一度身を引いて勉強し直してきます”と言いますよ。あれだけ良い選手を取っても勝てないのは、それまでのこと。原も初めから巨人でなく、弱いチームの監督から修業を始めていればこんなことにはならなかった。お父さんの貢さんは立派な指導者でしたが、彼が亡くなった後、息子はダメになってしまいましたね」

オーナーは「片手間でやっている」

 苦言は続く。

「良い選手を取ってくるのではなく、育てることを重視すべし。日ハムから取った中田を4番に据えていましたが、一体、彼にあと何年務まるの? ベンチを見ていてもそう。監督たるもの、最前列に鎮座して“行け!”と絶対的存在感で言うほどでないと」

 そして、返す刀でオーナーにも一言あるという。

「片手間でやっていて野球を知らないのよ。昔のオーナーは命がけでやっていたものだけどね……」

 G党、そしてOBからも高まる原監督への疑念……。さて、切れ者で通る山口オーナー、今後、原監督をどう処遇するのだろうか。

週刊新潮 2022年10月13日号掲載

ワイド特集「ゲームの幕引き」より

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