コインランドリー「WASH&FOLD」の運営会社が倒産 マスコミに持て囃された女性社長の業界評は

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6割が赤字

「地方都市では、コロナ禍による不況で空きテナントが続出し、コインランドリーに向いた立地の物件がたくさん出ました。不動産業者も『好立地の物件が出た』と直接業者に連絡をくれたりするのです。オープンすると来客が格好の宣伝となり、初めて使う人も増えます。つまり、コロナ禍で需要の掘り起こしに成功したわけです」(同・関係者)

 むしろコインランドリー業界が注意しているのは、活況を背景にした“悪徳業者”の参入だという。

「例えば、地域の実情を無視し、いたずらにフランチャイズ加盟のCMを流している会社があります。CMをYouTubeで流すのが特徴で、本部は店舗数が増えるので儲かるでしょうが、現場のオーナーは過当競争で青色吐息のはずです。他にも『残留洗剤は身体に悪いので水だけで洗う』と、科学的エビデンスの不明なPRを繰り広げるチェーン店もあります」(同・関係者)

 いずれにしても、東京都内や横浜市、名古屋市といった都市部を中心に営業していたアピッシュは、“成功の方程式”とは正反対の事業展開だったことになる。

「コインランドリー業界が活況を呈しているとはいえ、立地が全てを決めると言っても過言ではありません。条件の悪い場所で開業している店舗も少なくなく、6割が赤字という指摘もあります」(同・関係者)

事業譲渡の背景

 まして東京や神奈川といった大都市圏は、土地代が極めて高い。

「地代の高さだけでも高いハードルですが、開業するにしても小規模な店舗しか作れません。地方都市の一般的な大規模店と比べると、売上は必然的に少なくなります。アピッシュの倒産は大都市圏でコインランドリーを経営する難しさと、『下着を洗って畳んでほしい』というニーズはなかったことを明らかにしたのではないでしょうか」(同・関係者)

 ただし、アピッシュの全事業は別会社に譲渡され、WASH & FOLDも営業を続けている。

「事業を買い取ったのはリネン会社の大手です。資金が豊富なので、ずっと赤字でも構わないと判断したのかもしれません。実際、採算性さえ無視できれば、例えば広告効果は高いと思います。洗濯代行サービスが共稼ぎの夫婦や育児中の母親をサポートするのは事実でしょう。社会的貢献という観点から、企業価値の向上は期待できると思います」(同・関係者)

デイリー新潮編集部

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