相棒 亀山薫時代の名作ベスト5 1位は寺脇康文がベストシーンに挙げたseason2の「白い罠」

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第1位は…

 第1位はS-2・16の「白い罠」だ。前話の「雪原の殺意」との前後編で、北海道が舞台となっている。薫が売春容疑で逮捕した少女・本宮沙雪(前田愛)の周辺で起こった事件を北の大地で特命係が解決するという内容だ。

 前回のラストで沙雪を狙った犯人を逮捕し、事件は一件落着かと思われた。だが、その際、銃撃で負傷し、病院に運ばれた50過ぎの男が1人いた。この男は沙雪の後を追うように現れていて、素性がまったく分からなかった。のちに名前は工藤と判明するのだが、工藤は「私は人を殺しました」という謎の言葉を残して突然病院から姿を消してしまう。右京と薫は後を追うために小樽へと向かうことに。そこでまた新たな事件が起ころうとしていた……。

 沙雪と工藤の関係とは? それは実に長く辛く意外なものであった。工藤を演じる小野武彦の演技もあいまって、それが明らかになった場面でも涙ものなのだが、さらにラストで号泣必至の感動回となっている。亀山薫は熱い男だ。犯人を叱る、説得する、励ますなど、熱く接している場面は多々あるが、この回のラストはいつも以上に熱い。心を閉ざしていたある人物が、薫の言葉に動かされて思わぬ行動に出るのである。この際、思わず涙ぐむ薫の姿は「ぷれミーヤ!」という番宣番組でも寺脇が「亀山薫のベストシーン」として挙げていたほどだ。情にもろく、流されやすい薫だからこそ、情で人を動かすことが出来るということを示した感動の1作。ぜひ涙して観てほしい。

上杉純也

デイリー新潮編集部

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