コーチ陣刷新の巨人 大久保打撃コーチ、阿波野投手コーチ起用の読み方【柴田勲のセブンアイズ】
「進退伺」の意味
巨人・原辰徳監督(64)の来季続投が決まった。3年契約2年目となる2023年、通算17年目の指揮を執る。と同時に来季の首脳陣を大幅に刷新して新体制で臨むことになった。
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原監督は4日、山口寿一オーナーにシーズン終了の報告を行った。今季は5年ぶりのBクラスとなる4位に沈んだ。初めてクライマックス・シリーズ(CS)進出を逃した。また歴代監督では初めての2年連続負け越しとなった。散々な1年だった。
前回、今コラムでこう記した。球団から「責任を取ってもらいたい」とは言わないし言えないはずだ。原監督から「今年の成績では辞めるに辞められない。もう一度勝負したい」と言えば、球団も「どうぞやってください」と応じるのは確実だ。
この通りの展開となった。原監督はV逸が見えた8月下旬、山口オーナー宛に「進退伺」を出したという。
これはいろんな意味に取れる。進退伺いは辞職すべきかどうかを上役に尋ねることだ。辞める意志を表す「辞表」とは違う。悪く言うならポーズとも思えるが、山口オーナーは原の来季にかける思いをくみ取り続投を打診し原も受諾したという。
新コーチはどうか
ただ球団とすればファンに対して今後への姿勢を見せなければならない。このままの体制ではダメと判断した。
原監督が「来季も今年のままでいきたい」と訴えることができたかもしれないが、通らなかっただろう。今回のコーチ陣大幅刷新は原監督を守るためでもあった。
だが、その顔ぶれを見ていると首をかしげてしまう。打撃コーチの金杞泰、横川史学、村田修一の三人が退団した。外野守備兼走塁コーチの亀井善行が横滑りして、新たに大久保博元を呼ぶという。1995年以来、28年ぶりの巨人復帰となる。その間、西武でコーチ、楽天では監督を務めている。
確かに指導経験は豊富なのだろうが、巨人が買ったのは明るいキャラクター、雰囲気作りのうまさではないか。今季の巨人ベンチは負けが込んでいることもあってか、ベンチ内が暗く重い印象があった。その点、大久保はイキがいい。
ソフトバンクを退団した松田宣浩内野手(39)の獲得調査にも動いているが、闘志を前面に出すムードメーカーであることも評価されているという。
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