高市大臣が否定した「大陸8割」問題の真相

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大規模調査が必要

 ここで原点に戻り、“大陸の人々”がSNSやネット上で国葬反対の投稿を組織的に行い、全体の8割を占めるまでの量を送りつけたと仮定してみよう。当然ながら、その組織は自分たちの“尻尾”を隠す必要がある。

「ネット関連の知識が豊富なら、普通の中国人でも韓国人でも、日本人になりすましてTwitterのアカウントを不正入手したり、IPアドレスを日本国内に偽装したりすることは、それほど難しいことではありません。もし『大陸8割』という事実を本気で証明しようとすれば、非常に大規模で手間のかかる調査になります。相当の予算と人員が必要でしょう」(同・井上氏)

 予算と人員を投下する覚悟があるのなら、日本政府が調査を行うことは──あくまでも理論上の話だが──可能だという。

「担当するのは公安調査庁なのか警察庁なのかは分かりませんが、技術的に不可能ということはありません。国葬に関する議論が活発化してきた“開始日”を特定し、今に至るまでの賛否両論のツイートをカウントすれば、分母が導き出されます。次に、その中から国葬反対のツイートを1件1件、チェックしていくわけです」(同・井上氏)

地道な調査

 本当に日本人のアカウントなのか、日本語は正確なのか、IPアドレスを偽装していないか、全ての反対アカウントに対して丁寧な調査を行う──。

「政府機関による独自調査だけでなく、Twitter社に対する情報開示請求も必要になるかもしれません。いずれにしても、日本政府が本気を出せば、本当の発信元を突き止めることも不可能ではないでしょう。政府機関に大規模なハッキングが行われた時、発信元を突き止めるのと同じことを行うわけです」(同・井上氏)

 地道な調査を積み重ね、本当の投稿者を割り出して分子を確定させれば、結論が出る。

「“隣の大陸”からの投稿が8割なのか、5割なのか、1割なのかが分かります。しかし、こんなことに本気で取り組む政府機関などありません。毎日新聞の取材に高市さんは《政府は調査することができません》と回答しましたが、そういう意味なら間違いではないでしょう」(同・井上氏)

 だが、こんなことをして意味があるのか。国葬の警備費として概算16億6000万円が発表されたが、「金額を故意に引き下げている」という指摘だけでなく、これだけでも「高すぎる」と批判が出たのは記憶に新しい。

 その上で、またまたSNSの調査に大規模な人員と高額な予算を割くとなると、国葬反対派に政府攻撃の口実を与えてしまう。

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