高市大臣が否定した「大陸8割」問題の真相

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“デマ”拡散の背景

 そして高市氏は7日、閣議後の会見で記者の質問に対し、「発言はなかったです。ないです。そもそも大陸という言葉を私は使わない」(註)と否定した。

 これまで説明しなかった理由については、「選挙を控えた自民党議員に傷がつくことがあるかもと思い、発言を差し控えていた」、「クローズ(な会合)だったから、私としては発言を控えてきた」などと説明した。

 それでは一体、「大陸8割」と小林県議に説明したのは誰だったのか──高市氏の説明で一件落着どころか、更に謎は深まるばかりである。

 一方、「大陸8割」の“デマ”が拡散していった背景については、かなり明らかになってきたようだ。ITジャーナリストの井上トシユキ氏が言う。

「国葬を巡る賛否両論の議論が活発化するにつれ、特に反対意見に怪しげな投稿が散見されたことは事実です。Twitterの場合、翻訳ソフトを使った可能性が高い不自然な日本語による投稿や、発信先を示すIPアドレスが日本国内ではなく東南アジアなどになっていた投稿が発見されたと、ネット上では話題になっていました」

ロシアは無関係!?

 これだけなら、れっきとした“事実=ファクト”と言える。

 もし小林県議や高市氏が、「SNS上で国葬反対を表明した投稿のうち、日本人が書いたとは思えないものも散見された」と発言したのなら──国会の質疑や記者会見といった公の場であっても──全く問題はなかった。

「伝言ゲームでもよく見られる現象ですが、『国葬反対のツイートの中には中国や韓国からの投稿があるらしい』という情報が拡散するにつれ、次第に尾びれや背びれが付いていったのでしょう。どんどん話が盛られ、気がつくと『国葬反対のツイートは隣の大陸からのものが8割を占めている』という話になったと考えられます」(同・井上氏)

 そもそも“隣の大陸”という曖昧な表現が使われている時点で信憑性を疑うべきだろう。

 Twitterで検索を実行すると、“隣の大陸”を相当数のユーザーが、中国、北朝鮮、韓国と読み替えていることが分かる。

 ウクライナを日本が支援しているため、現在、最も先鋭的な“反日国家”と言えるロシアも“隣の大陸”に位置している。だが、ネット上のどこにも「国葬反対のツイートはロシアからの投稿が8割」という書き込みは見当たらない。

 この点だけでも、「大陸8割」の投稿には、中国、北朝鮮、韓国に対する“蔑視”と密接な関係にあることが分かる。

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