玉川徹氏の「電通演出説」は大嘘! では「国葬」で菅氏の弔辞を“書いた”のは誰か?

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電通が関与する余地がない理由

 そもそも政治家や経営者のスピーチをチームで作成するのは常識で、ケチをつけられるようなものではない。むしろ、心を揺さぶるスピーチを作れるチームを持っているとすれば、誇るべきだとすらいえるかもしれない。

 そんなわけで目下、あれほど感動を呼ぶスピーチを“演出”した人はいるのか、いたとして誰か、ということが永田町周辺では話題になっているのだという。

「私は安倍さんの秘書官を務めた佐伯耕三氏が“これまでにないレベルの内容をしたためたい”と腕まくりしていたと聞きました」(同)

「佐伯耕三氏」とは経産省のキャリア官僚で、世間の不興を買った「アベノマスク」配布や「星野源コラボ動画」を発案した人物として知られている。

「菅氏ももちろん文面作りにタッチしたと思いますが、国葬全体については、『チーム安倍』が集結して取り仕切ったと聞いています。佐伯氏の上司で、政務秘書官や首相補佐官として安倍氏を支えた今井尚哉内閣官房参与を中心に、安倍氏のスピーチライターをずっと務めてきた谷口智彦慶応大大学院教授ら、史上最長政権を彩った面々ですね」

 と、永田町関係者。英語が達者な谷口氏は会場で弔辞の同時通訳も務めたという。

思いを共有していた菅前首相

「しかし、少なくとも玉川氏が口にした電通が関与する余地は全くなかったと思いますし、そもそも電通が関わっているからダメだということにもならないでしょう」(同)

 チーム安倍のメンバーの中核は、志半ばで第1次政権の退陣を余儀なくされ、政権投げ出しと批判された安倍氏を励まし、並走してきた人たちで結束が固いとされる。単にビジネスで関わる広告代理店とは気持ちの入り方も違って当然だろう。

「彼らは安倍さんに心酔していました。再び立ち上がって政権のかじ取りを担うことを現実的に想定していただけに銃撃死はショックで、それだけに国葬に期するものがあったはずです」(同)

 菅前首相も彼らと思いは共有していただろう。プロによって文章に多少の修正がなされたとしても、そうした思いが乗ったスピーチだったからこそ、多くの人の共感や感動を呼ぶことになったのは間違いない。

 そして玉川氏が見誤ったのもこの点かもしれない。

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