津山・9歳女児殺害事件 無期懲役判決の決め手は、勝田被告が「『TVのチカラ』を観て創作」と語った「自白」の迫真性
実母に宛てた手紙
だが、津山女児殺害事件で逮捕・起訴された勝田被告は、公判では否認を続けてきた。裁判員裁判は昨年10月から岡山地裁で開かれ、今年1月に求刑通り無期懲役の判決が言い渡されたが、勝田被告はこれを不服として控訴していた。
岡山地裁で行われた一審の初公判でも、勝田被告は罪状認否の際に「私は絶対にそのようなことはやっていません。事件の日は、現場にも津山市にも行っていません」と主張。“勝田被告が犯人であるかどうか”が裁判の争点となった。
実は、事件現場から押収された毛髪などからは、勝田被告に結びつくようなDNA型が検出されていない。にもかかわらず、一審、二審とも無罪を主張していた被告が犯人であると判断している。これは被告が“犯行を認めていたとき”の供述内容が、極めて信用性が高いと認定されたことが大きい。
勝田被告は公判で主張したような完全否認に至るまで、供述を二転三転させていた。
たとえば、逮捕前に刑務所での聴取が開始された頃、勝田被告は<現場に行ってAさんの首は絞めたが、それ以上は何もしてない>という内容を実母に宛てた手紙に記している。その後、2018年5月にAさん殺害容疑で逮捕されると、翌月2日の取り調べでは「Aさんを刃物で刺して殺した」と供述。ところが、その数日後に「(取り調べでの供述は)すべて自分で考えたデタラメ」だったと述べ始める。
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