“日本一小さな村”を揺るがす役場の“凄絶パワハラ” 「給料泥棒が」と職員に暴言

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 富山平野の中央部にある、面積わずか約3.5平方キロ、「日本一小さな村」の舟橋村が大揺れに揺れている。パワハラ騒動の責任は村長にあるとして村議会が不信任決議を可決。これに対して村長が村議会を解散、村議選に打って出たのだ。

「問題が発覚したのは昨年2月。40代の生活環境課の男性のパワハラ行為が浮上し、地元の新聞に報じられ大騒動となったのです」(村役場関係者)

 9月6日に公表された第三者調査委員会の報告によると、よくもこんな人物を放置してきたものだと呆れる。それによれば、研修から戻った女性職員が書類を片付けているところに、〈ああいう普段仕事をしていないのに、夜ばかり仕事をして時間外(手当)を付けるのはダメなやつだから真似しないように〉とか、大声で〈給料泥棒が〉と暴言を吐き、夜遅くまで自宅に電話を掛けてきたとある。メールでも〈うるせえ!!〉〈やかましいわ!〉と職員を罵倒。

 別の女性職員に対しては、部屋のドアを蹴破るように開け〈窓口はお前の仕事だろうが。早く仕事に戻れよ!〉と怒鳴ったことも。同席していた人物が〈舟橋村役場っていつもこうなんですか?〉と驚くほど。机に書類を叩きつけるなどの行為は何度もあり、平気で同僚の机をあさったりもした。

パワハラ男の正体は

 村役場の職員は約30名だが、分かっているだけで10年以上前から約10名が被害を受けていた。あまりのひどさに、職員が副村長(現在の古越邦男村長)らに相談すると逆に「目立たないように」と諭される始末。結果、4人がメンタルを病んでしまい2名が退職に追いやられた。それにしても、このパワハラ男はどんな人物なのか。

「主任クラスで、議会やコロナワクチン接種の担当もしていました。舟橋村の出身ではないので、村内ではあまり知られてはいませんが、上司には真面目な顔を見せていました」(同)

 パワハラ男は昨年2月、戒告処分となったが、外部の団体に異動となっただけ。そこで、古越村長に聞くと、

「確かに良くないうわさは聞いていたけど、冗談でやっていると思っとりました。本人は仕事熱心な男です。戒告処分は総合的な判断。パワハラの実態はむしろ、村会議員らのほうがよく知っておったはずなのに、私に責任を押し付けるのは納得できません」

 隠蔽(いんぺい)と責任のなすり合い。日本一小さな村は、まだ昭和が終わっていない。

週刊新潮 2022年10月6日号掲載

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