【セ・リーグ】即戦力の新人選手総点検 貢献度が最も高いのは巨人 逆に最下位は?

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最下位は…

 4位は40点の中日ドラゴンズである。持ち味のパワーを武器に開幕1軍入りしたドラ2の外野手・鵜飼航丞は順調にスタメン出場を続けていたが、6月後半にプロの壁にぶち当たると2軍へ降格した。さらに左足を負傷し、手術を受けるハメになってしまう。それでも1軍帯同時は51試合の出場で打率2割6厘、4本塁打、15打点をマークし、将来への期待を大いに抱かせた。9月23日の試合で復帰すると、1試合を除きスタメン起用された。持ち味の長打力で来季はチームの勝利に貢献したい。

 中日で戦力となったのはこの鵜飼だけだった。ドラ6外野手の福元悠真は2度1軍に昇格したものの、わずか1試合の出場(スタメン3番起用で4打数1安打)に留まってしまった。ドラ1外野手のブライト健太と独立リーグ出身のドラ3左腕・石森大誠に至ってはともにケガのため1軍昇格なし。2人ともまずは万全の体調に戻すことが最優先される。1軍デビューは来季に持ち越しだ。

 5位は25点で横浜DeNAベイスターズとなった。大卒選手3人のうち、ドラ4右腕の三浦銀二とドラ6外野手の梶原昂希が1軍出場を果たしているが、三浦は開幕1軍入りを果たしたものの、わずか6試合の登板に終わった。防御率も10.80とプロの壁を痛感するシーズンとなってしまった。梶原は4月12日の試合でプロ初出場し1本塁打を含む4安打と大暴れ。新人がデビュー戦で4安打を記録するのはセ・リーグ史上初で、本塁打を含めた4安打はNPB史上初の快挙だった。だが勢いは長くは続かず。4月17日の試合を最後に2軍落ち。その後、8月中旬に1軍再昇格するもわずか2試合に出場しただけで逆戻り。結局6試合に出場して打率2割6分7厘、1本塁打、2打点に終わっている。

 ドラ2右腕の徳山壮麿は、全くの期待外れに終わったといえる。キャンプは1軍スタートだったものの制球にやや課題を残し、ファームで育成となった。2軍では17試合に登板し、77回1/3を投げ防御率3.49と一定の水準をキープ。来季の巻き返しに期待がかかる。

 最下位は15点の阪神タイガースである。支配下指名7人中4人が大卒・社会人組だったが、最もインパクトを放ったのは高卒ドラ1右腕の森木大智だった。今季は2軍でじっくり育成するかと思われたが、8月28日の試合でプロ初先発を果たすと、13人連続アウトを奪う力投を見せた。6回を投げ被安打4、4奪三振、3失点で負け投手になったが、ポテンシャルの高さは十分にみせた。9月10日の試合でも先発し2回2/3を投げ、被安打5、5失点(自責点3)。2敗目を喫したが、この貴重な経験は来季に繋がるだろう。

 森木以外では大卒ドラ3左腕の桐敷拓馬と社会人ドラ6外野手の豊田寛が1軍を経験。桐敷は開幕1軍の座を掴んだものの、わずか7試合の登板に終わった。0勝3敗、防御率5.02という数字が残っている。豊田は開幕直後に1軍登録されるも5試合で7打数無安打と結果を出せず、2軍落ちしている。

 即戦力左腕としての期待が高かった大卒ドラ2の鈴木勇斗はキャンプで結果を残せず2軍行き。ファームでは13試合に登板し1勝1敗、防御率8.06。来季の1軍入りに向けて秋季キャンプではさらなる体力作りと制球力の向上に励みたい。

上杉純也

デイリー新潮編集部

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