【セ・リーグ】即戦力の新人選手総点検 貢献度が最も高いのは巨人 逆に最下位は?

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 今年のプロ野球ペナントレースが全て終了した。各球団の昨年のドラフトの成果はどうだったのか。特に、即戦力としての期待がかかった大卒・社会人組はどの程度戦力になったのか。新人選手がどれだけチームの力になったのかを100点満点で個人的に評価してみることにした。

 まずはセ・リーグから。85点で見事1位に輝いたのは、読売ジャイアンツである。なんといっても開幕からクローザーに抜擢されたドラ1右腕・大勢の大活躍に尽きる。防御率2.05で今季37セーブ。惜しくもセーブ王は逃したものの、新人最多セーブ記録に並んだ。新人で30セーブに到達したのは過去に与田剛(当時・中日)、山崎康晃(横浜DeNA)、栗林良吏(広島東洋)と3人おり、全員新人王に輝いていることから、今季のセ・リーグ新人王の大本命だろう。

 ドラ3右腕の赤星優志も活躍した。計31試合に登板し、13試合に先発。78回を投げ、防御率4.04、5勝5敗5ホールドは合格点の成績。8月末から続いた先発起用でも4戦2勝、防御率3.18と結果を出した。いい形で来季に繋げたといえよう。

 育成6位右腕の菊地大稀は2軍で結果を残し、4月下旬に支配下登録を勝ち取った。7月17日の試合を最後に2軍落ちしてしまったが、それまでは16試合に救援登板し、17回2/3を投げて0勝2敗、防御率5.60という成績を残した。結果はともかく、1軍経験を積んだことは来季以降の飛躍に繋がるはずだ。

 昨年のドラフトで唯一、野手で指名されたドラ5外野手の岡田悠希は33試合に出場し、打率9分5厘。打撃では結果が出なかったものの守備固めや代走などでチームに貢献。貴重な経験を積んだ1人となった。

「プロ野球史上初」の存在感

 2位は70点の広島東洋カープである。支配下で指名した7人のうち、5人が大卒・社会人だった。即戦力を重視したが、5人の中で最も奮闘したのがドラ5右腕・松本竜也だ。リリーフとして50試合に登板して4勝2敗4ホールド、防御率3.56と好成績を残した。なかでも東京ヤクルトスワローズの主砲・村上宗隆に対して6打数1安打2三振、被打率1割6分7厘と抑え込んでいる点は注目だ。

 打者ではドラ3の外野手・中村健人だ。前半戦はスタメン起用も多く8月5日に登録抹消されるまで1軍にフル帯同していた。結果的に63試合に出場し、打率2割4分、3本塁打、10打点をマークした。堅実で球際に強い外野守備も光っており、守りでチームに貢献した。

 この2人に比べてやや物足りないのが、ドラ1の左腕の黒原拓未とドラ2左腕の森翔平だ。黒原は開幕1軍入りし、プロ初登板から無失点投球の連続。まさに即戦力の活躍をみせていた。だが5月4日の試合を最後に2軍落ち。再調整ゆえの降格だったが、最後は3軍落ちしてしまい、2軍戦でも登板がないままシーズンを終えている。

 黒原と対照的に2軍スタートとなった森翔平は、9月7日の試合でようやくプロ初先発し初勝利を飾った。計8試合に登板し、1勝0敗1ホールドで防御率1.89という数字を残している。

 3位は東京ヤクルトで、50点。そのほとんどがドラ2の外野手・丸山和郁の活躍によるものだ。持ち前の強肩と50メートル5秒8の俊足で開幕1軍をつかむと主に守備固め、代走として起用され、71試合に出場した。打率2割3分3厘、1本塁打、9打点、2盗塁を記録。何よりリーグ優勝を決めた9月25日の試合での劇的サヨナラヒットで一躍、名を上げた。新人のサヨナラヒットで優勝が決まったのはプロ野球史上初で、まずまず存在感を発揮したといっていい。

 当初は即戦力と目されたものの、昨秋に左尺骨を疲労骨折した影響で出遅れたのがドラ1左腕の山下輝だ。6月末に2軍で初の実戦登板を果たし、終盤戦の9月22日の試合でようやくプロ初登板初先発を果たした。結果的に2試合に登板し、12回1/3を投げ1勝1敗、防御率1.46をマーク。来季への足かがりを掴む登板となった。

 ドラ3右腕・柴田大地も期待されながら、登板わずか1試合。7月8日の試合で1回5失点(自責点1)し、即、2軍行き。2軍では29試合に登板し、防御率4.70と苦しんだ。

 結果的に大卒社会人ルーキーで1軍の戦力となったのは丸山のみ。ほぼ新人が活躍せずにリーグ連覇を遂げたことは賞賛に値しよう。

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