統一教会問題が「時事通信」に飛び火 現役記者の不評を買った“社長ブログ”の中身とは

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暴力団事務所への新聞配達

 そんな「社長ブログ」は次の一文で締めくくられる。

〈報道活動は法令に基づくものではありません。しかし、電気やガスの供給と同様、社会が機能する上で欠かせない行為です。新聞販売店が暴力団事務所に新聞を配達する行為が暴力団排除条例の利益供与違反に当たらないのはそのためです。実際問題として、世界日報社は政府指針が規定する集団に該当するとは言えないでしょう〉

 このブログについて先の記者はこう語るのだ。

「もちろん、社長の言葉には頷ける部分もあるんです。ただ、通信社の理念は理解できるとして、現場の記者が頭を抱えていることとは別問題。取材先で世界日報との関係性を問われたときに、“うちは『世界日報』だけではなく、『赤旗』にも配信しているので中立です”“新聞販売店は暴力団事務所にも新聞を配達します。そもそも反社集団ではない『世界日報』に記事を配信することは何の問題ありません”と説明できるかといえば、それは難しいですよ。実際、時事通信のニュースでも、政治家が過去に『世界日報』の取材を受けたことを“旧統一教会との接点”だと問題視しているわけですから……」

「そうした事実はありました」

 では、会社はどう捉えているのか。現場から「世界日報」への記事配信に懸念の声が上がっているという点について時事通信に事実関係を質したところ、以下の回答があった。

「ごくわずかながら、そうした事実はありました。通信社の使命は、独立した中立的な立場から、ユーザーが必要とする情報を迅速に伝えることにあると考えます。ニュースサービスの配信先メディアを信条や論調で選別することはしていません。旧統一教会に関係するメディアに記事を配信したり、そうしたメディアと提携したりする国内外の他の通信社も、当社と同様の見解であろうと推察します」

 また、一部で議論を呼んでいる社長ブログに関しては、「社内コミュニケーションのツールとして導入している社員向けサイトに掲載しているものです。社内限りのサイトの内容について公表したり、お答えしたりすることはできません」としつつも、

「ブログに対しては毎号、社内からさまざまな反応を頂いています。9月6日の号については『通信社の役割を再認識することができた』といった感想が数件寄せられました」

 統一教会問題の余波は、こんなところにも。

デイリー新潮編集部

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