迫るインフルとコロナ「同時流行」の危機、専門家に聞く「重症化」「死亡」リスクはどうなる?

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医療逼迫と「コロナ第8波」

 実は同時流行以上に懸念されているのが「医療逼迫」という。発熱などの症状を自覚しても、自分ではインフルエンザかコロナか判別できないため、症状を訴える患者が病院へ集中する事態が憂慮されているのだ。

「患者数の増加だけでなく、インフルかコロナか診断するために両方の検査を行う必要性にも迫られ、マンパワー不足などに直面するのではないか」(都内の内科医)

 岸田首相が表明した医療体制の強化に期待が集まるが、一人ひとりができる対策として有効なのは、やはりワクチンの接種という。政府も同時流行にそなえ、今年は過去最多の約7000万人分のインフルエンザワクチンを医療機関に供給する予定だ。

「ワクチン接種で免疫力を高めることで、インフルエンザへの感染リスクは下げられる。効果も4~5か月持続するため、世界各国でインフルエンザワクチンの接種が加速しています。推奨されているインフルエンザとコロナワクチンの同時接種もアメリカなどですでに実施済みで、それによって“副反応が強まった”などの報告は現時点でありません」(寺嶋氏)

 同時流行が本当に起こるかどうかは「コロナ第8波」が襲来するか否かに懸かっているといっていい。

「今年の冬にコロナが猛威を振るうとすれば、新たな変異株が登場した時と見られます。その可能性は予測困難で、実際、1年前には誰もオミクロン株の出現を予見できなかった。警戒を怠らないことが重要ですが、コロナ対策を徹底していればインフルエンザの流行を抑えられることはこの2年間で証明されているので、マスクや手洗い、“密”を避けるといった対策の重要性は今後も変わりません」(寺嶋氏)

デイリー新潮編集部

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