「ソフトバンク」現役社員がTKO木本をハメた社長とグルになって“投資詐欺”をしていた 会社は取材後「警察に通報した」と回答

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「全チャネル統一ナレッジ管理システムプロジェクト」

 Aさんは昨年8月から今年1月まで、16回にわけて1億円弱 をXが勧めてきた投資案件に出資。全額が未返済で、Xと連絡がつかなくなったという。そして、にわかに信じがたい話を明かすのである。

「Xの投資案件には不動産やFXなどさまざまな手口があるのですが、その中にソフトバンク案件というものがありました。実際、私は昨年末、港区・竹芝のソフトバンク本社にXとともに訪れ、会議室で社員二人から12億円の投資案件の説明を1時間にわたって受けました。そして、この案件にXを通して3900万円出資しました」

 Aさんによれば説明会にいたのは、「デジタルトランスフォーメーション統括部」統括部長のBと同部・課長のC。ほかXが連れてきた客一人が同席した。

 B部長が語った事業計画はこんな内容であった。

 プロジェクト名は「全チャネル統一ナレッジ管理システムプロジェクト」。B部長は全国で約3000店舗あるソフトバンクショップとY!モバイルショップで使われるシステム開発の総責任者で、数年に一度行われる、店頭で使うシステムのリプレイス(入れ替え)作業を21年12月から22年4月までの間に担当することになった。

理解不能な「利益相反」

 ソフトバンクはこの事業を最終的にT社に発注。T社は事業を受けるにあたり必要な資金を調達するため、一口2億円を6口、計12億円の出資を募る。出資者はT社と月利5%の「金銭消費者契約書」を交わすといった概要。A氏が渡された資料(写真参照)には予算は95.7億円とある。

 ややこしいのは、T社の間にN社という別会社をかましている点だ。さらに、T社、N社の代表はB部長とC課長になっている。

「話の冒頭で、ソフトバンクでは副業が認められており、起業する社員が多いという話がありました。B部長は自分の会社で業務を請負いたいと考えているが、ソフトバンクから直接発注をかけると『利益相反』になる恐れがあるので、C課長が代表のN社を介すことになったという話でした」

 なぜ「部長の会社」では利益相反になり、「課長の会社」ならば大丈夫なのか謎だ。実際、Aさんもこの話がよくわからずその場で質問もしたが、B部長があまりに自信満々に説明するのでつい納得してしまったという。

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