独占インタビュー 分断危機の「神社本庁」トップが語った「内紛の真実」

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統理という存在

――統理という存在は、神社本庁にとってどのようなもの なのか。

田中 統理というのは、基本的には宗教団体としての神社本庁の権威であり象徴であると考えています。例えば、何か対立があったとしても、双方の意見をよくお聞きになりますが、どちら側にもつかない、崇高なお立場として常に見守っておられる。だからこそ、統理様の存在を権威として、みんなで尊敬してきたというわけです。

――鷹司統理側が、田中さんを総長に指名しない背景には、何があると考えているのか。

田中 やはり、神社本庁の不動産売却を巡る騒動でしょう(※編集部注 2017年、神社本庁が所有する宿舎を売却した際、田中総長側が不正を行ったのではないかという疑惑。この騒動を巡って、関係者らに怪文書がばら撒かれ、その怪文書を書いたとされる職員ら二人が懲戒処分となった。処分を不服とした二人は神社本庁を提訴。最高裁まで争われ、今年4月、神社本庁側の敗訴が確定した)。

――この懲戒処分に、批判の声が上がっている?

田中 そうですね。この件については、撒かれた怪文書の中に、内部情報漏洩があり、それを知り得る内部の人間が書いたことは明らかでした。また、不動産売却は役職員の絡んだ背任行為であることは明白であるなどと、事実と異なる内容を流布しており、これは明確な規程違反です。そこで、書いた職員を調査で特定し、本人たちもそれを認めたものですから、最終的に処分を下す判断となったのです。とはいえ、当然ながら、懲戒解雇と降格という重い処分内容は、私個人の判断ではなく、常務理事会を開いて協議・決定し、さらに役員会、評議員会でも報告したのです。いずれの場でも、懲戒解雇と降格という判断について、了承されました。そうした了承を経ないまま、私が独断で懲戒解雇などを命じた、という風に言う向きもあるようですが、これも全くの誤解です。

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