「エルピス」「ファーストペンギン!」「アトムの童」 「秋ドラマ」注目の3作品に意外な共通点
日本テレビ「ファーストペンギン!」(水曜午後10時、5日~)
脚本は森下佳子さん(51)。これまでにNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」(2013年度下期)やTBS「義母と娘のブルース」(2018年)などを書いてきた。当代屈指のストーリーテラーだ。
主演は奈緒(27)が務める。連ドラ主演はこれが初めてだが、亀梨和也(36)が主演したNHK「正義の天秤」(2021年)のヒロイン・佐伯芽衣役など重い役は何度も経験している。
日本テレビ「あなたの番です」(2019年)でかなりヤバイ住民・尾野幹葉役を演じた一方、フジ「姉ちゃんの恋人」(2020年)では隣人のような等身大の女性・浜野みゆきに扮した。演技の幅も広い。
奈緒が演じる主人公は岩崎和佳でシングルマザーだ。「家なし」「金なし」「仕事なし」の状態で、5歳になる息子・進(石塚陸翔、7)と一緒に寂れた港町・汐ヶ碕にやって来た。仲居として住み込みで働けるホテルの働き口が見つかったからである。
和佳はかつてコンサルティングや企画などの仕事をしていたらしい。それを漁師の片岡洋(堤真一、58)が知る。汐ヶ碕漁協組合長・杉浦久光(梅沢富美男、71)の古希を祝う会でのことだった。
片岡は和佳のコンサルティングの力で寂れた汐ヶ碕を立て直してくれるよう頼む。和佳は海のド素人だったが、意気に感じ、汐ヶ碕の再建に乗り出す。
実話を下地にしたストーリーだ。汐ヶ碕の復興は和佳の人生の立て直しとも重なるのだろう。
プライムタイムの連ドラはコア層(基本的に13~49歳)がメインターゲット。特に日本テレビはその傾向が強いが、このドラマは毛色が異なる。幅広い年代の視聴者を引き付けそう。
日本テレビがかつて得意とした「ちょっとマイウェイ」(1979年)のような明るい人生賛歌になることを予感させる。
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