「お前は風俗でもっと稼げ。月収200万円じゃ足りない。俺の元カノは500万は稼いでいた」婚活詐欺男が2つ目の事件で逮捕されるまで(4/4)
慶応卒ではなくて
「その度に“じっくり話そう”と言われてうまくやり込められると言うか……。こちらもおカネを預けている以上、強い態度に出て逃げられたら元も子もないなって、無理に自分を納得させてきたのかもしれません。確かに、“愛の巣”ということで岡から住むように指示されたマンションに彼は住まず、通ってくる状態でした。ただ、その頻度は割と頻繁で、結婚していたらそんなにはやって来られないだろうとタカを括っていた部分もありますね」
そんな風に自分自身を責めるような言葉を口にするのだった。
話を弁護士との相談後に戻すと、洗脳が解けた状態になったBさんは家具などを整理して立ち退く態勢を整えたうえで、弁護士同席のもと岡被告を呼び出した。ダマしていたことについて問われた彼は、以下のような主旨の話をしたという。
「将来的には結婚をと考えて付き合っていたのは本当です。ただ、慶応卒ではなくて青学卒です。ダマしていたのは悪かった。カネは全て返す。でも、今すぐにと言われたら無理です。手元にないし、分割になるし、(Bさんの思い通りに)返せないと思う。返すのに一生かかるし、連帯保証人をつけることも公正証書も書くこともできない」
最初の捜査は頓挫したが
これだけ聞くと、反省して返済の意思を示しているようにも見えるが、そう簡単な相手ではないのは、これまでを見てもお分かりの通りである。
その場でBさんが「今持ってる時計などのブランド品、クルマを売っておカネに変えることはできないのか? そのくらいの反省や誠意も見せることができないの? このままだと警察に言います」と伝えると、岡被告はこう言ったという。
「返さないって言ってる訳じゃないし、こんなブランド品を売ったからって大したおカネにはならないよ。どうぞ勝手に警察へ」
さらに話し合いは後日に持ち越されたが、その際には岡被告も弁護士を伴って、「Bさんの言ってることの意味が全くわからないし、おカネは全てもらったもの」とのスタンスに転じたという。
そこでBさんは警視庁目黒警察署に被害届を出し、捜査が始まった。
「捜査の過程で岡の口座などに照会がかかり、いろんな女性とやり取りしていること、『High & Low』という博打みたいな取引で10億円以上負けていることなどを聞きました。私からおカネを取ったすぐ後に、それをロレックスなどの支払いに回していたことがわかったりもして、本当に悔しかったです。ただ、“証拠が弱い、男女の揉め事の範疇で詐欺や横領に問えない”と判断されてしまいました」
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