「お前は風俗でもっと稼げ。月収200万円じゃ足りない。俺の元カノは500万は稼いでいた」婚活詐欺男が2つ目の事件で逮捕されるまで(4/4)

国内 社会

  • ブックマーク

両親への挨拶後に豹変

 一方で、かねての懸案だったBさんの両親への顔合わせに出かけたものの、岡被告からその場で「結婚前提に交際しています」「いつまでに籍を入れます」といった言葉は一切なかったという。

「何のための挨拶だったのかと、直後に不審感が芽生えましたが、その後の岡の態度はかなり威圧的になっていました。“(挨拶をするという)約束をオレは守っただろ?”の繰り返しで。“お前は風俗でもっと稼げ。もっとハードなサービスを提供する店で働いてこい。お前の月収200万円じゃ足りない。俺の元カノは月500万は稼いでいた。カネが足りない。お前の友達にカネを持ってる人はいるのか? 1000万、2000万円借りられる人いないのか? 借りられたら、そこに300万から500万円を上乗せして返すから電話して聞いてみて”と怒鳴ったり脅されたりしました。とにかく怖かったです」

 Bさんは「そういった店で働けないし、おカネを借りられる知人もいない」と泣きながら訴えたが、それでも岡被告は「早く電話しろ、カネ持ってる奴に!」とかなりしつこい様子で、Bさんは複数の知人にその旨の連絡を余儀なくされたという。

妻子持ちと知るまで

 この一件以降、それまで以上に2人の関係はギクシャクし始め、やがて岡被告から生活費の支払いが滞るようになる。

「岡から預かったクレジットカードを返せとも言われ、結局、私は自分で働いた風俗の収入で生活するような状態になっていました。“税務調査が入ったから、預かったカネも含めた全財産を隠す必要があって、しばらくは取り出せない”と言われていたことはお話ししましたよね。私を切り捨てる方便だったと思いますが、その税務調査の話以降、おカネが詰まるようになっていました」

 知り合って9カ月ほど経った頃、ついにBさんにも我慢の限界がきて弁護士に相談した。

「実態を伝えると、“あなたダマされてるよ”と弁護士に言われました。弁護士を通じて戸籍を取ってもらったら『妻子持ち』だとわかって。ただただ、ぞっとしました。岡の子どもは2020年の2月に生まれているようで、その少し前に私と知り合っておカネを取っていることになりますね」

 洗脳状態に近かったとはいえ、遅きに失した、もっと早く手を打つべきだったのではないか、という見方もあるだろうが、Bさん自身も岡被告の生活する家に立ち入れないことなどについて、説明を求めてきたことはすでに触れた通りだ。

次ページ:慶応卒ではなくて

前へ 1 2 3 4 次へ

[2/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。