妻の出産時にも相手の家に…耐え忍んで“ご近所不倫10年”の43歳夫が打ち明ける不満
いまでは一般的に使われる「二世帯住宅」という言葉は、もとはヘーベルハウスが1975年に売り出した住宅の商品名だった。背景には、親夫婦と子夫婦が別に暮らす「核家族化」とバブル期の土地価格高騰があったとされる。60年代までに一般的だった、いわゆる「サザエさん」家庭との区別として、世帯をあえて分ける二世帯住宅が誕生したといえそうだ(参考:「今じゃ普通の二世帯住宅。その歴史とは?」リビンマガジンBiz)。
誕生から間もなく50年が経とうとしている二世帯住宅だが、世帯を分けたことで生じる独特の距離感ゆえか、親世帯との付き合いかたに悩むケースはよく聞く。とくに義理の両親と住むことになれば、苦労はなおさらだろう。
国土交通省が実施している「住生活総合調査」によると、高齢期に子と同居することを希望する割合は、平成5年(1993年)の20.8%から、平成30年(2018年)には11.6%へと減少している。福祉施設の増加など高齢になってからの選択肢が増えたこともあるだろうが、二世帯住宅の大変さを知る子供夫婦の世代が親になったからこそ生まれた“自分がした苦労を子の世代にかけたくない”という心境を読み取ることはできないだろうか。
男女問題を30年近く取材し『不倫の恋で苦しむ男たち』などの著作があるライターの亀山早苗氏が今回取材したのは、まさに義理の両親との同居に強いストレスを感じていた男性だ。しかも彼は、近所に住む女性と不倫するという、リスキーな発散方法を選んでしまった。
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リスクの高い環境でのダブル不倫であっても、なんとか続けたい、続けようとがんばるカップルは少なくない。特に最近よく聞くのは「ご近所不倫」だ。これほど危険な関係はないのだが、ハードルが高いほうが恋は燃えるのだろうか。
内村寛人さん(43歳・仮名=以下同)は、4歳年下の妻・迪子さんと結婚して10年たつ。そして近所に住む恭美さん(46歳)と不倫関係に陥ってからも同じく10年。結婚と不倫が同じ年数というのは、かなり珍しいケースだ。
「たまたまそういうことになってしまったんですよ。迪子とは職場恋愛で、つきあって半年くらいで妊娠したので、それを機に結婚に踏み切った。今になって正直に言うと、結婚はまだ先でよかったんです。彼女がピルを飲んでいるというから安心していたら、なんと妊娠。しかも『うっかり飲み忘れた日だった』と。そこで責めてもどうにもなりませんし、彼女のことは好きだったから結婚したんです」
結婚しようと言うしかなかったと彼は言う。つわりがひどかった迪子さんは退職し、すでに二世帯住宅になっていた彼女の実家へとふたりは越した。両親が階下で暮らし、新婚夫婦は二階で生活したが、二階には簡単なキッチンがあるだけ。夕食時に帰ると一階で妻と義両親が食事をしている。彼もそこに加わるしかない。
「妻の両親はいい人たちですが、それでもどこかうっとうしい。特に義父は厳格なタイプで、何かあると説教口調になるのに困りました。義母は自分の夫と僕、両方に気をつかっている。それがわかるから、妻には食事は別にしてほしいと言ったんですが、妻は『みんなで食べたほうがおいしいわよ』と気にもとめない。だから僕は遅く帰るようになりました。残業がなくても夕飯が終わってから帰宅する。そうすると食事は二階に用意されているから」
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