いざ、凱旋門賞!「武豊」は「日本ダービー馬」と10度目の挑戦 悲願達成を狙う日本馬たちに立ちはだかる壁
馬場が合っていない、の真相
だが、日本の競馬ファンは毎年、日曜の深夜に期待を膨らませてテレビの前に齧り付き、日本馬が馬群に沈む映像を見て悲嘆に暮れているのも事実。一体なぜ負け続けているのだろうか。
「敗戦後に必ず関係者が言うのは『馬場が合っていない』という話なんです」
とは、先の競馬関係者。馬場というのはもちろん、馬が走るコースのことだが、
「よく言われるのは、日本の馬場は芝が短く刈られ、路盤も整備されているけど、欧州の芝は長く、走りにくいというものです。ただ、ロンシャン競馬場の芝生は、日本のように短く刈られており、そこは日本と一緒なんです」
では、何が違うのか。
「芝生が生えている路盤がボコボコで、日本とは全く違う走り味なんです。日本の路盤は、馬が走りやすいようにきっちり整備されていますから。これは、どちらがいいというわけではなく、そういう文化だということなんだと思います。さらにこの時期のパリは、雨が多く、重馬場になりやすい。それでも、強い馬はそんなこと気にせず勝てるはずですし、日本馬もあと一歩の2着は何度もあるわけですから、可能性はあると思いますけどね」
競馬ファンの夢は、今年もボコボコの路盤を駆け巡る――。