ロシア女性にハメられた? 日本人外交官の「スパイ疑惑映像」をプロパガンダに利用する“窮地のプーチン”

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 ウラジオストクの日本総領事館に勤務する領事がスパイ容疑で拘束された事件は、なぜ起きたのか。ロシア治安当局FSBが作成した「証拠映像」を分析すると、ロシア側の“作為”が浮かび上がってくる。今回に限らず最近のロシアでは、日本人をスパイにでっち上げ、さらには“プロパガンダ”に利用するケースが起きているのである。

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舞台は日本料理店

 動画は薄暗い飲食店の隅のテーブルで、男女が向き合うシーンから始まる。奥に座るのは胸のあたりまで髪を下ろした女性で、顔にモザイクがかけられている。手前にはスーツ姿の男性が座っている(男性のモザイク処理は編集部による。元の動画では素顔が晒されている)。

 画面中央に不自然に映り込む「箸立て」。どうやら場所は日本料理店で、別の席から隠し撮りしているようだ。

 女性が書類らしきものを差し出すと、男性は両手で受け取り、確かめるような動作を見せてからどこかにしまった。その間、女性はメニュー表をパラパラとめくっている。書類を入手し男性はほっとしたのか、髪の毛をかき分けながら背後を確認するかのようにくるりと振り向いた。薄暗い店内で男性の白い歯が怪しく光る。

 そこから急に場面は車が行き交う街中へと切り替わった。画面中央に映し出されるのは「FSB沿海地方局」と書かれた建物。すぐに再び場面が切り替わり、今度はオフィスのような場所で日本人男性が一人で机を前に座っているシーンが映し出される。先ほど隠し撮りされていた男性だ。

 観念したかのように首を垂れる男性に向かって、通訳らしき女性が画面外からたどたどしい日本語で話しかける。

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