「村田兆治 逮捕」で世の中の反応が二つに分かれるワケ
「暴走老人」「信じられない」
村田兆治氏(72)が羽田空港の保安検査場で逮捕された一件は大きく報じられた。
23日、金属探知機に何度もひっかかったことをきっかけに職員と押し問答となり、相手の肩を押したというのが事件の概要である。
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折しも国葬を目前に控え、国内での警戒レベルも上がっている中、こんなことでもめること自体、褒められたものではない。本人も反省の意を示しているという。
もっとも、このニュースを聞いての反応は大きく分かれるようだ。
「高齢者特有のキレやすさなんだろうが、まさに暴走老人。許せない」という人もいれば、「あの村田さんがそんなことをするとは信じられない」という人もいる。歌手の和田アキ子は「穏やかな方」、徳光和夫は「ジェントルマン」と、それぞれ自身の番組で村田氏の人柄を評していた。
和田アキ子、徳光和夫同様、後者の「あの村田さんが」派の多くは、現役時代を知る世代かもしれない。
逮捕の一報では「元ロッテのエースで、通算215勝の大投手」というくらいしか紹介されていないが、そのキャリアは多くの尊敬を集め、ある時期、球界でも特別な存在として輝いていたのだ。
彼の全盛期は現在とは比べ物にならないくらい巨人軍がプロ野球界の人気を独り占めしていた時代。特にパ・リーグの人気はまだまだで、若い女性が神聖なるグラウンドで「きつねダンス」などを披露して注目を集めるなんてことは考えられなかった。
今よりもはるかに、プロ野球が「男臭かった」――そんな時代に、全国区の人気、知名度を得ていた数少ないパ・リーグの投手だといえるかもしれない。
1990年、40歳で引退した年にそれまでの野球人生を振り返ったロングインタビューが「FOCUS」(1990年11月30日号)に掲載されているので、抜粋・引用しながらその野球人生を振り返ってみよう。
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