「外国人なら200万円で」スイス“自殺ほう助”の実態 現地では驚かれなかったゴダールの死

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自殺未遂の過去も

 こうした死は一般化していて、今回のゴダールの死も、現地ではさほど驚きもなく伝えられているという。

 広岡氏が言う。

「彼はレマン湖の畔にある、人口6千人の町に住んでいたそうです。晩年は毎朝、カフェで新聞を読み、葉巻屋に立ち寄って家に戻るのが日課だったとか」

 宮下氏によれば、

「これまでに何度も自殺未遂騒動を起こしています」

 自殺願望が以前からあったのは事実なのであろう。

「彼の最期は自身の映画の主人公そのものでしたね」

 とは冒頭の白井氏。

「気ままに生き、年老いて創作が困難となった時、自らの意思で幕を閉じる。人生がひとつの映画のようでした」

〈悪く生き良く死ぬ人々をあまりに多く見た〉

〈例外の死を望む それが規則なのだ〉

 1995年、自ら撮ったドキュメンタリー映画でそう述べたゴダール。

 まさにそのままの死を迎えた彼は、「最後の作品」の出来栄えを、あの世でどのように見ているだろうか。

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■相談窓口

・日本いのちの電話連盟
電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)
https://www.inochinodenwa.org/

・よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)
電話 0120-279-338(24時間対応。岩手県・宮城県・福島県からは末尾が226)
https://www.since2011.net/yorisoi/

・厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」やSNS相談
電話0570-064-556(対応時間は自治体により異なる)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_info.html

・いのち支える相談窓口一覧(都道府県・政令指定都市別の相談窓口一覧)
https://jscp.or.jp/soudan/index.html

週刊新潮 2022年9月29日号掲載

ワイド特集「ランウェイの光と影」より

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