山上徹也容疑者と世間を震撼させた「迎賓館ロケット事件」 ローンウルフ対策を考える

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 日本の公安警察は、アメリカのCIA(中央情報局)やFBI(連邦捜査局)のように華々しくドラマや映画に登場することもなく、その諜報活動は一般にはほとんど知られていない。警視庁に入庁以後、公安畑を十数年歩き、数年前に退職。昨年9月に『警視庁公安部外事課』(光文社)を出版した勝丸円覚氏に、ローンウルフと呼ばれるテロリスト対策について話を聞いた。

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 安倍晋三元首相を殺害した山上徹也容疑者。テロ組織との直接的な関りがなく、テロを行う彼のような人物は警察関係者の間で「ローンウルフ(一匹狼)」と呼ばれている。

「『ローンオフェンダー(単独攻撃)』とも言われています」

 と解説するのは、勝丸氏。

「山上だけでなく、2008年の秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大、昨年起きた京王線刺傷事件の服部恭太、北新地ビル放火事件の谷本盛雄などもローンウルフということになります」

アカウントが凍結

 ローンウルフと呼ばれるだけあって、犯行の兆候をつかむことは難しい。それでも山上容疑者の場合3年前、旧統一教会幹部の殺害を示唆する内容をツイッターに投稿し、アカウントが凍結されたこともあった。

 さらに2020年3月、旧統一教会に批判的なフリージャーナリストのブログのコメント欄にも犯行を予告するような書き込みを行った。

「フリージャーナリストは、山上が自身のブログのコメント欄に統一教会を攻撃するようなコメントを寄せていたわけですから、警察に知らせるべきでした」

 昨年の秋、彼が住んでいたマンションの住人は、夜中に不審な音を聞いている。

「住人は、山上の部屋から金属を叩くような音を何度も聞いています。手製の銃を組み立てていたものと思われます」

 さらに、山上は山中で何度も射撃訓練を行っていた。

「そのため、火薬の原料となる薬品をネットで大量に購入しています。今後は、特定の薬品を大量に購入した場合、警察へ通報するシステムがあっても良いでしょう」

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