「オレの結婚は何だったんだ。そんな気持ちです」 不倫がバレた43歳男性が語る“再構築”できなかった夫婦仲の結末

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正反対のタイプのふたり

 則晃さん夫婦はずっと共働きだった。友だちの結婚パーティで知り合い、1年ほどつきあって結婚した。ふたりとも29歳のときだ。則晃さんはもう少しつきあってから決めたかったのだが、こずえさんが30歳までに結婚したいというので従った。

「今思えば、結婚をなめていたのかもしれません。なんとなく30歳前後で結婚したほうがいいのかなと感じて、なだれ込んでしまったような気がします」

 ひとり息子は12歳になった。来春には中学生になる。息子が小学校に上がったころから、夏には必ずふたり旅をしてきた。それ以外はほぼ放任だ。勉強なんて、本人が必要性を感じればやるようになると思っている。だがこずえさんは、子どもを管理、支配したがる傾向が強かった。

「小学校に上がってすぐ、塾に行かせるというので大反対しました。息子も行きたくないと言っていましたしね。本人がやりがたっていたサッカーとスイミングは習わせました。両方とも今も続けています。僕の姉一家が近くに住んでいて、僕らがどうしても仕事で遅くなるときは息子のめんどうを見てくれています。僕は姉には頭が上がりませんが、こずえは『お義姉さんにはちゃんとお金を払っているのだから、恐縮する必要はない』と言い放ったこともあります。どこか感情的に尖った人なのですよ」

 それが不倫に走った原因ではない。ただ、和歌子さんはこずえさんとは真逆に近い、繊細でやさしいタイプだった。だから200万円をもって去っていった和歌子さんが、実はつらい思いを抱えていたはずだと彼は心を痛めている。彼の和歌子さんへの思いは今も消えていないように思える。

「僕の不倫云々で揉める直前、息子に中学受験をさせるかどうかで妻とバトルがあったのです。もちろん僕は地元の中学でいいと思っていた。息子もそのつもり。だけどたまたま、姉の息子がけっこういい中高一貫の私立に受かったのです。そうしたらこずえがライバル意識を燃やしてしまって。子どもを私利私欲の道具に使うなと言って、妻に睨まれました。妻は自分が常に努力してきたから、努力は尊い、いちばんを目指せというタイプ。でもがんばったって思うようにならないのが人生でしょ。妻はそれを認めないのですよね」

 だからこそ、夫の不倫がわかったとき、妻は和歌子さんに致命的な言葉をぶつけて自分のプライドを保とうとしたのかもしれない。

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