異次元の円安だが「ドル預金」が危険な理由 資産防衛のために何ができる?

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「投資のリスクを背負うときではない」

 経済ジャーナリストの荻原博子さんも「外貨預金は目減りする危険性があるから手を出さないほうがいい」とし、「節約するしかない」と説く。

「給料は増えず、年金は2年連続で減っている。しかも、この10月から雇用保険料が上がり、後期高齢者の医療負担が2割になる。どうしようもない部分が上がっているなか、物価も上昇しているのだから、お金を使わないという方法しかありません。岸田内閣は石油元売りに補助金を出しただけで、あとは低所得者に5万円など場当たり的に行うだけ。一時、老後に2千万円必要だという話が騒がれましたが、あれは100歳近くまで夫婦二人で生きるなら2千万円必要だという話でした。投資などでリスクを背負うときではありません」

 経済アナリストの森永卓郎氏は、いまの円安の原因を「日本の財政がよくない、日本が弱い、というイメージがあって、円が投機筋の標的になっているから」だと見たうえで、一般消費者に対してはこう勧める。

「外貨預金や外国株を持っている人は、いま叩き売るのがいいでしょう。1ドル150円になったら100%売りです。アメリカが年内は金利を上げるので、しばらく円安傾向だと思いますが、この状況はあと半年ほどしか続かないでしょうから、がまんするのが一番いいと思います」

 やはり、いまは耐え忍ぶことを勧めるのである。最後に大宅さんの声を。

「日銀が緩和しても、だれも元気にならず、企業が内部留保をため込むだけでした。政府も5万円給付など、誰の税金をいつまで配り続けるつもりでしょう」

 異常な円安に対し、われわれはせめて悲鳴を上げ続けるということか。こういう中央銀行と政府のもとで、座して死を待つことだけは遠慮したいから。

週刊新潮 2022年9月22日号掲載

特集「異次元の『円安』地獄で『高齢者』の『金利』を蝕む“戦犯”」より

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