「はなまるうどん」撤退でも「中国」で勝ち抜く日本企業 「イトーヨーカドー」「ダイキン」「資生堂」に学ぶ“成功の秘訣”

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 人口14億人を超す「世界最大の消費市場」である中国へ乗り込んだものの、当初の目論見が外れ、あえなく撤退する日本企業があとを絶たない。しかし日本のメディアで大きく取り上げられる機会は少ないが、中国で「成功」をおさめている日本企業もちゃっかり存在する。両者の明暗を分けたものは何か――。

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 吉野家ホールディングス傘下の「はなまるうどん」が年内にも現地の運営子会社を清算し、中国市場から撤退することが発表された。2011年に進出後、18年に店舗数を37にまで拡大させたが、ゼロコロナ政策の煽りや現地のニーズを正確に捉えきれなかったことなどが“敗因”に挙げられている。

 その一方で、本家「吉野家」は92年に北京に開店以降、いまも中国で根強いファンを獲得しているという。

 中国事情に詳しいシグマ・キャピタル代表取締役兼チーフエコノミストの田代秀敏氏が話す。

「吉野家は北京や遼寧を中心として中国に500店舗以上を展開していますが、たとえば北京市内ではデパート上階にあるレストラン街に店舗が入っているケースもある。中国で吉野家といえば、“安い・早い”のファストフード店でなく、休日に家族と連れ立って食事に行ったり、若者がデートに使う“ちょっとオシャレな店”といったイメージが強い。もともと中国人はご飯を短時間で済ますといった習慣がなく、昼食にも1時間程度をかけるのが普通ですから、日本と同じ業態では長続きしなかったでしょう」(田代氏)

 また中国の吉野家は牛丼以外にも、味付けを中国人好みにしたオリジナルメニューを豊富に揃え、日本のやり方をそのまま持ち込まなかったことが奏功したという。「餃子の王将」を運営する王将フードサービスが05年の中国進出から9年後に撤退に追い込まれた際、「日本と同じ焼き餃子中心のメニューにこだわったのが裏目に出た」(経済誌記者)と指摘されたのとは対照的といえる。

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