「蓮舫」「辻元」「小川」にフラれて多難な船出 内閣支持率急落でも「立民」に復活の兆しなし

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「やるなら最後まで馬鹿でしょ」

 かくして党の要職を離れた小川氏。今回の動きに対しては、あるベテラン議員が「独断専行で、スタンドプレーが過ぎる」と話すなど党内に批判がある。その一方で映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」で知られる注目度の高さと、その実直さなどから「党を担う逸材だ」という評価も少なくない。そんな小川氏が蓮舫氏、辻元氏らと共に立憲の「非主流派」となったわけだ。小川氏はこれからどうしていくつもりなのか。

「仲間づくりは一つ大きな課題だと思っています。ただ一番大事なことは、私の動きに批判的な人に理解して頂くためにもちゃんと一兵卒をやり切ることだと思っているんです。地に足をつけて一兵卒をやっていると」

 しかし、民主主義で自らの考えを実現するには、賛同する仲間を増やし、多数を取る状況を作らなければならない。いつまでも一兵卒では何もできないのではないかと問うと、「自分は孤高の一匹狼みたいなところがある」と前置きして、小川氏は語り始めた。

「構造問題に取り組んで持続可能な社会を次世代に残さなきゃいけないし、国民と政治家との関係性や政治文化を改革したい。ただそれは野心や上昇志向に満ちた人にできるはずがない気もするし、そもそも私は群れたり、戯れたりというのは得意でも好きでもないんです。従来型の(多数派)工作も必要なんでしょうが、国民も今まで見たことないようなリーダーが欲しいなら、今までと同じ資質を求めるべきではないかも知れませんよね。これまで理想論でやってきて馬鹿とか狂人とか言われ続けてきているので、やるなら最後まで馬鹿でしょ」

 田中角栄元総理はかつて「政治は数」と喝破し、強力な田中軍団を率いたが、小川氏はそうした政治を「従来型」として、政治文化の改革を訴える。ただ現実問題としてどのようにその理想の実現にこぎつけるのか。一兵卒からスタートする道筋は遠く、五里霧中だ。

 そして政治は動き続けている。岸田政権が危機的状況に陥り、野党の存在価値がかつてないほど問われている今、求心力の低下が明らかな立憲民主党がしっかり責任を果たせるのか。そして小川氏が必要とされる局面は訪れるのだろうか――。

青山和弘(あおやま・かずひろ)
政治ジャーナリスト 星槎大学非常勤講師 1968年、千葉県生まれ。元日本テレビ政治部次長兼解説委員。92年に日本テレビに入社し、野党キャップ、自民党キャップを歴任した後、ワシントン支局長や国会官邸キャップを務める。与野党を問わない幅広い人脈と、わかりやすい解説には定評がある。昨年9月に独立し、メディア出演や講演など精力的に活動している。

デイリー新潮編集部

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