「蓮舫」「辻元」「小川」にフラれて多難な船出 内閣支持率急落でも「立民」に復活の兆しなし

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「“党が危機だ”っていう人に、いざ仕事を頼んでみると肩透かしを食らう」

 周囲にそう嘆くのは、立憲民主党の泉健太代表(48)だ。7月の参院選での惨敗を受けて、8月末に新執行部の発足を宣言。が、そこには岡田克也幹事長(69)をはじめ、安住淳国対委員長(60)、長妻昭政調会長(62)ら重鎮がズラリ。「野党としての普通の攻撃力を取り戻した」(立民閣僚経験者)との声から「まるで“昔の名前で出ています”だ」(自民党幹部)といった揶揄も。こうなった最大の理由は、泉氏が岡田幹事長と練り上げた人事構想が、ことごとく暗礁に乗り上げたからだ。【政治ジャーナリスト/青山和弘】(「週刊新潮」2022年9月22日号に掲載した記事を加筆・再構成しています)

「そんなに泉が嫌いなのか」

「泉代表は当初、蓮舫さん(54)に代表代行への就任を打診した。圧倒的な知名度と攻撃力に期待したようだが、彼女は参院選の直後から執行部の刷新を訴えていたからね。当然のように固辞した」

 とは立憲の中堅議員。関係者によると岡田幹事長は首を縦に振らない蓮舫氏に「そんなに泉が嫌いなのか」と問いただしたという。

「6年前の参院選でトップ当選だった蓮舫さんも、今回得票を45万票も減らして4位。彼女は泉代表の路線が間違っていたせいだと思っている。表舞台に立つ泉代表の陰に隠れる、地味な代表代行に収まるわけがないでしょう」(先の中堅議員)

 立民内にはいまも参院選の敗因は、泉代表が対決路線から提案路線へと舵を切り、共産党との共闘を見直して中道保守路線に寄ったためだと考える議員が少なくない。

 さらに泉代表の受難は続く。参院議員として国政復帰を果たした、辻元清美氏(62)への役員室長就任の要請も断られた。

「役員室長の主な仕事は代表の相談相手やマスコミ相手の情報収集で、発信力に定評があり人脈も広い辻元さんは適役と思われました。しかし彼女は、蓮舫さんと同じかそれ以上に泉路線に懐疑的。決断は早かったそうです。泉代表には彼女を近くにおいて、自身への批判を封じ込めようとの目算もあったはずですが……」(前出中堅議員)

「ササーッとどこかに行っちゃう」

 かくして前執行部では半分を占めた女性議員の登用や当初目指した挙党体制の構築は頓挫した。そして泉代表が最も苦々しく思っていたのが、執行部内の足並みの乱れだった。別の立民議員が語る。

「泉代表は、執行部にいながら早々に参院選敗北の責任論と執行部の刷新を訴えていた小川淳也・前政調会長(51)を、幹事長代理として残そうと考えた。小川さんは執行部から退く意向を示していましたが、青臭く理想を語る発信力と党内外での根強い人気は他では得難いと考えたのでしょう」

 だが小川氏は「一兵卒として支えたい」と要請を固辞し、目論見はあっさりと潰えた。その後、泉代表は周辺に不愉快そうにこう話したという。

「党幹部としての責任を全然背負わないで、ササーッっとどこかに行っちゃう。何でかっこよく振舞っちゃうんだろう」

 小川氏に真意を尋ねると、次のように語気を強めた。

「自分にまったく疚しさはないので、何を言われても結構。私利私欲で動くほど器用でもないし、格好つけたいとかでこんなことやれますか。党内融和を重視して、(参院選敗北の)責任感覚を曖昧にするようでは、国民はおろか、党内の信も得ることはできないですよ。政調会長として、自民党が放置してきた人口減や財政赤字などの構造問題にアプローチできなかったことは責任を感じています」

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