兵士不足のロシア軍は「刑務所で囚人をスカウト」 戦場に送られた3000人は全滅の異常事態 この冬に敗れる可能性

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冬将軍

 本当に軍隊を支えるのは、勤勉な兵士と下士官だという。だが、今のロシア軍は、新兵の補充にさえ汲々としている印象だ。

「序盤のキーフ攻略戦では、ロシア軍の下士官や前線の将校の抗命が相次ぎ、将軍レベルが最前線で督戦するという異常事態が出現しました。一時期、ロシア軍が長距離からのロケット攻撃に切り替えたのも、陸上部隊が動かなかったからでしょう。この士気低下が、一朝一夕に変わるとは思えません」(同・軍事ジャーナリスト)

 本来は最前線でリーダー役を務める下士官や将校でさえ厭戦ムードが高まり、脱走も日常化している──こうした報道が事実なら、囚人の新兵を前線に送ったとしても戦力として機能することはないだろう。

 冬の訪れが現実のものになっていくが、気温が低下するにつれ戦局が変化する可能性があるという。

 もともとロシア軍は冬に強かった。フランスのナポレオン一世(1769〜1821)がロシアを攻めた「1812年ロシア戦役」でも、ナチスドイツの侵略による「独ソ戦」(1941〜1945)でも、ロシアは“冬将軍”を味方に付けた。

戦況が一変!?

「果たして今のロシア軍は冬将軍を味方にできるのか、はなはだ疑問と言わざるを得ません。装備は劣悪、士気は低く、兵員不足も深刻です。ウクライナ軍も兵員不足は同じですが、NATO(北大西洋条約機構)軍が提供した最新鋭の装備を持ち、士気は旺盛です。これまで、冬はウクライナ軍に不利と言われてきましたが、実際に寒くなると全く違う戦況になるかもしれません」(同・軍事ジャーナリスト)

 自衛隊OBからは「特にロシア陸軍が、あれほど軍隊としての体を成していないとは考えもしなかった。俺たちの血反吐を吐くような猛訓練は必要なかったのか……」という奇妙な嘆きも漏れているという。

註:参考記事は以下の通り

◆【速報】プーチン大統領 予備兵などロシア国民の部分的動員を発表 21日から 「これは、はったりではない」(テレ朝news・9月21日)

◆ロシア軍志願兵 年齢上限を撤廃 ウクライナ侵攻 兵力不足深刻化か(東京新聞・5月30日

◆露軍、兵補充難航か 米英分析 50~60代の部隊も(読売新聞・7月14日)

◆ロシアの雇い兵組織「ワグネル」が刑務所で募集 動画が流出(BBC NEWS JAPAN
・電子版・9月17日)

◆ロシア軍兵力、13万人増枠 大統領令 「大規模動員、困難」見方も(朝日新聞・8月27日)

◆焦点:「ウクライナで戦いたくない」、徴兵忌避するロシアの若者(ロイター・電子版・7月22日)

デイリー新潮編集部

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