最愛の夫を亡くして30年 ちあきなおみ、新アルバム発売の裏側と復帰の可能性

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アルバム新発売の経緯

 一方で、世間はそれでも彼女を放っておけない。

 その後も過去の歌唱を再構成したCDが発売され続け、この10月19日にも、新アルバムが発売されるのだ。タイトルは「残映」。

「コロナ禍などで世の中が殺伐とする中、時代の希望となるような、愛情溢れる歌を届けたいと思ったのが、きっかけです」

 とは、本作のプロデュースをした、元テイチク社長の東元晃(ひがしもとあきら)氏。東元氏はテイチク時代、ちあきの代表曲、「喝采」もプロデュースした。

「郷さんの死後もご本人とは折に触れて電話をしたり、会ったりしていました。今回のアルバムも普段の会話の流れでそんな話をしたところ、ご本人も共鳴し、ラブソング中心の構成で出すことになったんです」

復帰について「あえてその話を振ることはない」

 そんなちあきは今、港区にある自宅マンションで悠々自適の「おひとりさま」生活を続けている。現役時代の蓄えに加え、神奈川県内にはアパートを1棟所有。生活に心配はまったくないといったところだろうか。

 しかし、3年半前に発売された前作CDも4万枚以上売れたというから、復帰にも大きな期待が集まる。

「私も同じ思いを持っていますが、それは本人の意思次第ですし、あえてその話を振ることはありません。本人は穏やかな生活を送っていますから、あまりせつかれて動くというのは……」(東元氏)

 前出・古賀氏もこう語る。

「当時からちあきさんは復帰はしないと言っていました。昨今は引退と復帰を繰り返すスターもいますが、ちあきさんは復帰しないことで常識を破りつつある。そうすることで永遠の存在になるでしょうし、今ファンが支持しているのは、実際のちあきなおみではなく、復帰しないもう一人のちあきなおみだと思うんです」

 その残映にファンはいつまでも喝采を送っているということなのだ。

週刊新潮 2022年9月22日号掲載

ワイド特集「“喝采”の舞台裏」より

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