新婚の井戸田潤 ピン芸「ハンバーグ師匠」からもうかがえる人間的魅力
「ハンバーグ師匠」に見る器の大きさ
スピードワゴンは、小沢が甘ったるい気取ったことを真顔で言う漫才で人気を博した。スピードワゴンと言えば「あまーい」というフレーズで知られているが、この言葉を言っているのは小沢ではなく、ツッコミ担当の井戸田であることを忘れてはいけない。井戸田のよく通る声と迫力満点の顔芸があのネタの隠れた見どころだ。
井戸田が周囲の人々から慕われている理由は、人当たりの良さと愛すべきキャラクターにある。彼は「ハンバーグ師匠」という人物を演じるピン芸でも人気を博した。ある程度の芸歴を重ねてから、この手の間の抜けたキャラクターを全力でやり切れるのはすばらしい。井戸田の人柄と芸人としての器の大きさがうかがえる。
井戸田は同世代の芸人の間ではイジられる側に回ることも多い。番組の企画で愛車のピンク色のバイクを紹介したところ、色がダサすぎるとイジられ、「ソープランドピンク」という屈辱的な名称で呼ばれたりもした。でも、そこまで言われても不思議と悲しげに見えない井戸田の存在感がまた面白いのである。
かつて私自身が取材で話をうかがったときにも、全く気取ったところがなく、気さくな感じが伝わってきて好印象だった。もちろん芸能人の中で悪い印象の人というのもめったにいないのだが、その中でも特に温かい感じだったのを覚えている。
小沢という特殊な芸人を相方にして、スピードワゴンの歴史を作ってきた井戸田には、何とも言えない人間的な魅力がある。結婚を機にさらなる飛躍が期待できそうだ。
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