メタノール中毒殺人事件 否認を続ける「北大卒エリート夫」を検察は有罪にできるのか

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 密室で起きた事件。薬物の入手時期や混入方法もはっきりと分からない。夫妻ともに高学歴だったことで注目を集めている東京・大田区で起きたメタノール中毒殺人事件で、逮捕された夫は今も否認を続けている。検察は“消去法による立証”で夫を有罪にできるのか。

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混入できたのは“夫だけ”

 事件が起きたのは、今年1月16日早朝のことだった。東京都大田区のマンションから「妻が息をしていない」と119番通報が入り、意識不明の状態で倒れている吉田容子(40)さんが見つかった。容子さんはすぐに病院に運ばれたがまもなく死亡した。

 検視の結果、容子さんの体内から致死量のメタノールが見つかった。警視庁捜査一課は8カ月間にも及ぶ捜査のうえ、9月18日、「第一三共」社員の吉田佳右(40)容疑者を殺人容疑で逮捕した。

「警察は容子さんが亡くなる2日前にメタノールを摂取して中毒症状を起こしたとみていますが、その二日間、容子さんはほとんど自宅を出ていないことがわかっています」(警視庁担当記者)

 容子さんのスマホを解析したが、メタノールの購入履歴は残っていなかった。

「自殺を考えていたような記載もなかった。京都大学大学院を出て結婚するまでは薬の研究者であった彼女が、メタノールを誤飲したとは考えにくく、当時ほかに在宅していたのは小学生の子供だけ。故意に混入したのは夫しか考えられないという消去法による逮捕でした。佳右容疑者は職場で薬品の研究開発をしており、メタノールを持ち出せる立場にあった」(同)

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