「初恋の悪魔」「家庭教師のトラコ」 大物脚本家のドラマはなぜ数字が取れなくなったのか

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 ヒット作のない今年の夏ドラマ。中でも前評判が高かった割りにパッとしなかったのが、日本テレビの「初恋の悪魔」と「家庭教師のトラコ」だ。いずれも大御所と言われる脚本家の作品だが、何が起こっているのか。

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 土曜ドラマ「初恋の悪魔」の主演は林遣都と仲野太賀。その2人に加えて、松岡茉優と柄本佑という神奈川県警境川警察署に所属する捜査権を持たない4人が、独自に事件の犯人を推理するというのが大まかなストーリー。なのだが、恋愛ありミステリーありで、どこに向かっているのか分からなくなるドラマで、脚本は坂元裕二氏(55)のオリジナルだ。民放プロデューサーは言う。

「ドラマ好きには決して評判は悪くない。けれども、展開が以前の事件に戻ったりするので、ボーッと見ているとストーリーが分からなくなることも。録画を2倍速、3倍速で見る今の若い人には着いて行けないでしょうね」

 視聴率は7月16日の初回6・6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)が今のところ最高で、2話が3・9%、3話は3・8%にまで落ちた。以後は4~5%台を彷徨っている。このままでは平均視聴率が5%を切る可能性もある。

「坂元さんは、最近では17年の『カルテット』(TBS)や昨年の『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ/関西テレビ制作)が話題になりました。どちらも主演は松たか子で、脚本賞を受賞するなど評価されました。しかし視聴率的には、『カルテット』が平均8・9%、『大豆田』が平均6・1%と、あまりよくないのも特徴的です」

 数字的によくないのに、なぜ脚本家として起用されるのだろう。

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