「サウナ混みすぎ問題」にどう対処するか 水風呂、外気浴も諦めず見つけた答えは
「サウナカー」に見る可能性
ソロサウナからプライベートサウナという展開をみせるサウナ・シーンで、「サウナカー」というまたあらたな試みが注目を集めている。
読んで字のごとく、サウナを搭載した車で河原や湖畔へ行き、そこでサウナを楽しむスタイルだ。現地の川や湖が天然の水風呂で、屋外であるために外気浴の問題についてはいわずもがな。サウナカーを提供するサービスはいくつかあるが、今回は、この秋から本格的に事業を開始した「ザ・サウナカー」(ダイヤモンドグループ株式会社)の体験会を渡辺氏が取材した。
軽トラックの荷台に、ストーブを備えた木張りのサウナ室を搭載したのが「ザ・サウナカー」の設備である。同行するスタッフが薪をくべはじめ、10分もすればリア部分の煙突から煙がのぼりはじめ準備完了。室内の定員は4人だが、入れ替わりで利用すれば人数の制限はない。
温度計がなかったため正確な数字は不明ながら、サウナ室の温度は渡辺氏の体感で「80度後半といったところでしょうか」。セルフもロウリュもOKで、調子にのって水をかければ中に居られないほどアツアツになる。完全に温まったところで車を降りて、川へとダイブ。今回は、流れを泳ぐ小魚とともに、青空の下で水風呂を満喫することができた。しっかりと身体が冷えたら、河原に置かれたキャンプ椅子へと身体を沈める。
運営元の小田隆雄代表は、ザ・サウナカーをはじめた理由を次のように語る。
「もともとサウナも自然も好きで、川の近くでサウナに入りたい』という気持ちがありました。『テントサウナ』というものはすでにあったのですが、意外と組み立てが面倒なんですよね。その点、サウナカーは現地まで乗りつけてしまえばいい。室内が布ではなく木張りというのも、テントサウナと差別化できる点ですね」
製作にかかった費用は、車代をのぞき150万円ほど。ゆくゆくは200台まで量産する予定のほか、サウナカーを造るキットの販売なども考えているという。
「いやあ、なかなかいいんじゃないでしょうか。サウナ、水風呂、外気浴すべての条件が揃っていますよ。今度は個人的に利用したい」
とサウナカーにご満悦の渡辺氏。ザ・サウナカーでは、汐留発・返却で8名まで乗車できる送迎車が同行する7時間110000円のプランと、送迎なし5時間66000円のプランが用意されている。先述のとおり利用人数に制限はないので、頭数を揃えればそれだけお得になる。
「仲間をあつめてBBQとサウナ、なんてシチュエーションにぴったりです。ただ、サウナカーで遊ぶなら、あんまり寒くならない今くらいの時期が限度なのでは。本格的な冬になると、水風呂代わりに川に入るにもキツくなってきます。まあ、本場フィンランドは凍った湖に飛び込むなんて話も聞きますし、逆にそこまでの“サウナ愛好家”たちであつまることができれば面白そうですけれど」
ようやく答えを見つけたかと思いきや、こんどは「季節」の問題が……「サウナ混みすぎ問題」は根深い。