「サウナ混みすぎ問題」にどう対処するか 水風呂、外気浴も諦めず見つけた答えは
「サウナブーム」がいわれて久しい。人気の施設ともなれば混みあうことがしょっちゅうで、時にはサウナ室の前に全裸の入場待ちの列ができる光景も……。これでは、理想的とされる“サウナ→水風呂→外気浴”のルーティーンも乱されてしまう。週4でサウナに通うマーケティングアナリストの渡辺広明氏が、対処法を探った。
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【写真】混雑、水風呂、外気浴…条件がそろったサウナの「答え」は
東京都の中野区にある松本湯は、都内屈指のサウナ銭湯として知られる。昨年8月にリニューアルが行われフィンランド製のストーブが導入されたほか、定期的にミストが噴射される「オートロウリュ」の設備や、冷水と「ぬるめ」の2種類の水風呂が用意されている、サウナ好きにはたまらない施設である。銭湯であるため、入浴料は1回1000円とリーズナブルな点も見逃せない。
唯一の欠点は「混雑」だ。休日はもちろんのこと、平日でもときに入場制限がかかる。9月の平日夜には女湯が規制されていたというから、“オジサンが入るもの”という従来のイメージを覆したサウナ人気のほどがうかがえる。
「私もいちど訪問しました。店員さんの目が行き届いており、浴室は清潔。水風呂は150cmの深さがあり(※女湯は135cm)、銭湯サウナにありがちな“サウナは乾燥してカラカラ&水風呂はぬるい水道水”という問題点が完璧にクリアされていました。ただ、とても混んでいたのがネック。値段の安さから若者たちで浴室内が溢れていたところへ、高校生とおぼしきサウナーが6名入ってきた。完全に“ととのう”前に出てしまいました。また近くにいったら行きたいですが、混まない時間帯をねらいたいですね」
と語る渡辺氏。若者にも浸透するサウナブームの熱量を感じさせるエピソードだが、できれば混雑は避けたいもの。どういったサウナであれば快適に過ごせるのか。
増える「貸し切り」利用のサウナ
渡辺氏が続ける。
「私は普段、入浴回数券を使って自宅のちかくの銭湯に行っています。箱買いしたオロナミンCをポカリスエットで割った『オロポ』(※サウナ好きの間ではおなじみの飲み物)を水筒につめて通う、いわゆる“ホームサウナ”ですね。けっして有名な施設ではなく、サウナも水風呂もそこそこなのでいつも空いています。こういった自分だけのサウナを見つけるのがいちばん。とはいえ、家の近所にこうした施設がある方は少ないでしょう。わざわざ行くほどのサウナではないので、半分接待を兼ねた機会や、休日にサウナ好きの友人を誘って……という時にも使いにくいです。こういう連れだって行く客が増えたからサウナが混むんだ、という意見はさておき」
コロナ禍で増えたサウナの特徴のひとつに「ソロサウナ」がある。最大でも2人での利用を前提とした、個室式のサウナである。
「店自体のスペースが小さいので立地がよく、駅前など通いやすいのがいいですよね。ただ、ソロサウナは、店舗の小ささゆえに水風呂がなく、冷水シャワーだけの店が多い。やっぱり水風呂がなきゃというユーザーは敬遠していますね。そのためか、最近は水風呂需要にもこたえられる『貸し切りプライベートサウナ』もできています」
たとえば、今年8月には銀座八丁目に「KUDOCHI」がオープンした。スタンダード、プレミアムVIP、プラチナVIPの計6室があり、全室に水風呂を完備。VIP室では熱波師によるアウフグースも体験できる。値段設定は、同伴者1名まで利用可能な90分6000円から、同伴5名までOKの120分26000円まで、いくつかのコースが用意されている(ほかナイト5時間パックあり)。さすがに銭湯サウナより値は張るものの、同行者でワリカンすれば、手が届かない値段ではない。なにより混雑のない快適なサウナライフのための投資と思えば、一考の余地ありかもしれない。
「仕事を頑張った時に、自分へのご褒美で友人たちと麻布十番のLedian Spa(レディアンスパ)を利用します。スタンダードルーム3名120分19800円から。サウナは熱いですし水風呂も冷たくてなかなかいいですよ。受付をすませれば、他のお客さんと鉢あわずにサウナ室に行けるので、麻布という土地柄、芸能人も多そう。ただひとつ、外気浴が欠点ですかね。外気浴をするために外に出ると、目の前が雑居ビルやマンションなんですよ。そのため水着着用がマストですし、なんだか落ち着かなくて」
先の「KUDOCHI」にも、外気浴のスペースがなかった。水風呂の問題をクリアしてもまた別の課題が浮上してしまった……。
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