関西で盗まれた日本人のパスポートが偽造されてアフリカで発見されたてん末 中国人のトンデモない利用法とは

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日本にパスポートの偽造グループ

 勝丸氏は入管から連絡を受けて、実際に偽造パスポートを持った中国人の数人と面談したという。

「日本語で話しかけても何の反応もありません。英語も通じませんでした。入管には中国人の通訳がいるので、このパスポートはどうやって手に入れたか聞いてもらったところ、親戚からもらったというだけで、詳しいことは答えませんでした」

 偽造パスポートを持った中国人はバンコクなど東南アジアから来た者が多かったという。その場合、入管で逮捕されることはなく出発地に帰された。

「なぜアフリカを経由したのかわかりません。日本人が使わないルートなのでバレるリスクが少ないと思ったのでしょうか」

 勝丸氏は、入管から偽造パスポートの現物をいくつか譲り受けた。

「そのコピーを警察庁に送り、事件を報告しました。兵庫県警や大阪府警が合同で捜査したところ、パスポートは空き巣で盗まれたり、ひったくりで盗まれたりしたものだと判明しました。どれも被害届が出ていました。捜査を進めて行くと、中国人をリーダーとする、パスポートの偽造グループの存在を突き止めました。大阪に彼らの拠点があり、2009年に摘発しました」

 偽造グループは、盗まれたパスポートを1冊10万円で買っていたという。

「中国人は親戚などからお金を集め、偽造グループから50万円で日本のパスポートを購入していました。アメリカで成功したら、お金を親戚に返済するつもりだったのでしょう」

勝丸円覚
1990年代半ばに警視庁に入庁。2000年代初めに公安に配属されてから公安・外事畑を歩む。数年間外国の日本大使館にも勤務した経験を持ち数年前に退職。現在はセキュリティコンサルタントとして国内外で活躍中。「元公安警察 勝丸事務所のHP」https://katsumaru-office.tokyo/

デイリー新潮編集部

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