関西で盗まれた日本人のパスポートが偽造されてアフリカで発見されたてん末 中国人のトンデモない利用法とは

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 日本の公安警察は、アメリカのCIA(中央情報局)やFBI(連邦捜査局)のように華々しくドラマや映画に登場することもなく、その諜報活動は一般にはほとんど知られていない。警視庁に入庁以後、公安畑を十数年歩き、数年前に退職。昨年9月に『警視庁公安部外事課』(光文社)を出版した勝丸円覚氏に、アフリカで日本人の偽造パスポートを所持していた中国人について聞いた。

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 勝丸氏は、かつて外務省に出向し、アフリカ大陸にある国の日本大使館に外交官として赴任した。

「平成の時代の話ですが、12月23日の天皇の誕生日には、日本大使館でレセプションを行いました」

 と語るのは、勝丸氏。

「地元の警察署長や入管の局長、アメリカ大使館に勤務しているCIAやFBIの職員などを招きました。職務上、日本人が関わる事件があった時に情報を提供してもらうためです。日頃から彼らとよく食事をしたりしていました」

兵庫に集中した偽造パスポート

 勝丸氏はある日、入管の局長とレストランで食事をしていると、こんな話を持ちかけられたという。

「『日本人の偽造パスポートを使ってトランジットで入国する中国人がいるが、興味あるか?』と聞かれました。もちろん『大いに関心があります』と答えました。すると、日本人の偽造パスポートで中国人が入国するたびに、連絡してくれるようになったのです」

 2008年から2009年にかけて、20回以上連絡が来たという。

「なぜか、このうちの半分が兵庫や大阪、奈良など関西地方に在住する人のパスポートが偽造されていました」

 偽造パスポートを持った中国人の最終目的地はいずれもアメリカだった。

「中国は貧富の格差が酷く、金持ちはごく一部です。貧しくてアメリカへ渡って一旗揚げようという人々です。アメリカで子どもが生まれたら、その子はアメリカの国籍を取得できます。アメリカで結婚できれば安泰と考えているのでしょう」

 なぜ、日本人のパスポートが偽造されたのか。

「日本のパスポートは世界一、信頼度が高いからです。日本人は犯罪に関代することが少ないので、銀行口座の開設や携帯電話の契約などが簡単にできます。中国人としてアメリカに入国するより、日本人として入国した方が暮らしやすいのです」

 パスポートはどのように偽造されていたのか。

「当時のパスポートはICチップを使っていなかったので、容易に偽造ができました。パスポートの顔写真の部分だけ使用する中国人の顔と入れ替えるのです。パスポートに記載されている生年月日から年齢は30代のはずなのに、本人はどう見ても50代というケースもありました。これでは偽造パスポートだと簡単にバレますね」

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