「常に“自分が一番”と思いながら」 女優・のんが明かす“満たされぬ思い”
「去年まで、ほとんど休みなく突っ走ってきたんで、ちょっと疲れたかな」
所属事務所とのトラブルで本名の「能年玲奈」からいまの芸名に切り替えておよそ6年。女優業の傍ら“創作あーちすと”を名乗る、のん(29)の表情は明るい。
2016年に声優として主演したアニメ映画「この世界の片隅に」が国内外で高く評価され、数々の賞に輝いたことは周知の通り。さらには監督業にも進出し、今春公開の映画「Ribbon」でメガホンを取った。18年4月には画家として初の個展を開催し、5月にはミュージシャンとしてファーストアルバムもリリースしている。
周囲は大御所ばかり
30歳という節目を控えてなお、幅広い活動を続ける理由は「一度も満たされたことがないから」と笑う。根底には、出世作となったNHKの朝ドラ「あまちゃん」で主人公のアキを演じた経験があるそうだ。
「撮影現場では常に“まだまだ力が足りない”と考えながら過ごしていました。周りは“いつかこんな演技をしてみたい”と思えるような、お手本となる大御所の方ばかりでしたから」
当時、19歳だった彼女の共演者は小泉今日子(56)をはじめ、薬師丸ひろ子(58)、片桐はいり(59)、宮本信子(77)といったベテランばかり。気付けば野心家になっていたと振り返る。
「その後の音楽活動でも、“レジェンド”と尊敬されるミュージシャンの方々とご一緒させていただきました。目標が余計に高くなって現実が追い付かず、自分で自分にガッカリすることが増えました。でも、その悔しさが糧になっています」
[1/2ページ]