国葬参列の天皇皇后両陛下は「イギリス留学」のご経験 若き日のそれぞれの思い出とは
計り知れない価値
ベテランのジャーナリストは「昭和天皇、上皇さま、そして陛下と、天皇家は3代にわたりエリザベス女王と対面されました」と言う。
「上皇さまは1953年、エリザベス女王の戴冠式に昭和天皇の名代として参列されました。昭和天皇は71年に訪英され、バッキンガム宮殿に滞在されました。国賓は通常2泊までなのですが、女王の意向で異例の3泊となりました。当時は第二次世界大戦の記憶も鮮明で、従軍者を中心に反日感情も強かったのですが、女王は皇室を擁護する姿勢を見せたことになります」
天皇陛下も留学中、女王主催の茶会や園遊会などで親交を深めた。祖父、父、孫という3代の交流は、日英史の重要トピックと言っていいだろう。
「もともと日本の皇室はイギリスの王室を模範としてきました。昭和天皇、上皇さま、陛下と3代にわたる訪日の経験も加わり、皇室の内部では『イギリス王室の歴史』や『イギリス王室の考え方』が教科書のように語り継がれてきたのです」(同・ベテラン記者)
女王の国葬と言えば、王室にとっては威信のかかった大イベントであるのは論を俟たない。
「君臨すれども統治せず」は人口に膾炙しているが、国葬は“君臨”の神髄を世界に発進する場とも言えるだろう。
「イギリス王室の威信をかけた国葬に、陛下と雅子さまが参列されることは、皇室に新たな『イギリス王室のお手本』が蓄積されることを意味します。天皇家にとって極めて有益で、計り知れない価値のある経験であることは間違いありません」(同・ベテラン記者)
註1:[令和の天皇](4)王族と交流 自然体 留学で国際感覚磨く(連載)(読売新聞:2019年5月6日朝刊)
註2:浩宮様 26歳のお誕生日(NHKニュース:1986年2月23日)
註3:9月19日午前7時43分、誤記を修正した
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